日本相撲協会は23日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、宮城野親方(38=元横綱白鵬)に2階級降格と報酬減額の処分を下した。

後輩力士への日常的な暴力行為が判明した弟子の幕内北青鵬に対する監督責任を問われた。

協会は史上最多の45回の優勝など数々の記録を残した大横綱の師匠としての適性に、厳しい言葉を投げかけている。

「師匠の宮城野の懲戒処分については、降格(委員から年寄)と報酬減額(20%×3か月)の併科とすることを決議し、宮城野に処分を通知した。併せて、宮城野については、師匠としての素養、自覚が大きく欠如していることが理事会で確認されたため、その対処として、三月場所は、所属する伊勢ケ濱一門で宮城野部屋の師匠代行を任命し、師匠代行が宮城野部屋の監督を行うこと、4月以降は、伊勢ケ濱一門が宮城野部屋を預かり、師匠・親方としての指導・教育を行う(期間は未定)ことを、伊勢ケ濱一門と協会執行部とで検討、三月場所後の理事会で報告することを決定し、その旨、宮城野に通知した」(原文ママ)

同協会の処分は7段階に分かれ、降格は解雇、引退(退職)勧告に次いで3番目に重い。委員から、再雇用者の参与を除けば、最下位の年寄に転落した。

◆宮城野翔(みやぎの・しょう)本名は白鵬翔。1985年3月11日、モンゴル・ウランバートル生まれ、ムンフバト・ダバジャルガルと名付けられる。00年10月来日、01年春場所初土俵。04年初場所新十両。同年夏場所新入幕。大関昇進した06年夏場所で初優勝。07年名古屋場所で第69代横綱昇進。優勝45回など史上1位の記録が多数ある。19年9月に日本国籍取得し、21年秋場所後に現役引退。通算1187勝247敗253休。金星1個、技能賞2度、殊勲賞3度、敢闘賞1度。