日本相撲協会は23日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、宮城野親方(38=元横綱白鵬)に2階級降格と報酬減額の処分を下した。

同協会の処分は7段階に分かれ、降格は解雇、引退(退職)勧告に次いで3番目に重い。委員から、再雇用者の参与を除けば、最下位の年寄に転落した。

後輩力士への日常的な暴力行為が判明した弟子の幕内北青鵬に対する監督責任を問われた。

協会は史上最多の45回の優勝など数々の記録を残した大横綱が師匠として正しく対処していれば、このような事態にはならなかったのでは、としている。

理事会の発表資料には、次のような記述がある。

「宮城野は、令和4年七月場所中、北青鵬のBに対する暴行を把握しながら、当事者であるBと北青鵬に事情を直接確認もせず、Bの被害写真の確認すらしなかった。また、北青鵬に注意もしておらず、先代親方にさえ直接報告をしなかった。この機に、宮城野が、Bと北青鵬に事情を直接確認し、北青鵬に注意をしていれば、BのみならずAに対する暴行もより早期に把握することができ、北青鵬の暴行が常態化することも阻止できた可能性がある。北青鵬に対する監督と協会への報告を怠った結果、被害者2名に対する一年を超える常態化した暴力被害を生じさせたもので宮城野の責任は重大である」(原文ママ)

◆宮城野翔(みやぎの・しょう)本名は白鵬翔。1985年3月11日、モンゴル・ウランバートル生まれ、ムンフバト・ダバジャルガルと名付けられる。00年10月来日、01年春場所初土俵。04年初場所新十両。同年夏場所新入幕。大関昇進した06年夏場所で初優勝。07年名古屋場所で第69代横綱昇進。優勝45回など史上1位の記録が多数ある。19年9月に日本国籍取得し、21年秋場所後に現役引退。通算1187勝247敗253休。金星1個、技能賞2度、殊勲賞3度、敢闘賞1度。

大横綱に厳罰処分 元白鵬の宮城野親方が2階級降格と減俸処分 暴力行為に対する監督責任