史上最多45回の優勝など数々の記録を残した大横綱が厳罰処分を科された。

日本相撲協会は23日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、弟子の幕内北青鵬(22)の暴力行為に対する監督責任で宮城野親方(38=元横綱白鵬)の2階級降格と減俸処分を決めた。これを受け、同親方は委員から最下位の年寄に落ちた(再雇用者の参与を除く)。同協会の処分は7段階に分かれており、降格は解雇、引退(退職)勧告に次いで3番目に重い。

モンゴル出身の宮城野親方は2021年秋場所後に現役引退後、年寄「間垣」を襲名。先代宮城野親方が日本相撲協会の65歳の定年を迎えるのに伴い、22年7月に年寄「宮城野」を襲名して宮城野部屋を継承した。

直後から東京・墨田区の東駒形にある旧東関部屋を利用してきたが、あくまで仮住まい先で、同親方は都内の自宅から通うことが多かった。こうした状況の中で、北青鵬による後輩力士への暴力問題が発生した。

協会関係者によると、北青鵬の若い衆への暴力は、殺虫剤やバーナーを使って火であぶったり、まわしの切れ端を重ねて作った棒でたたくなど、1年以上続いたという。みみず腫れができるまで尻をたたかれたと訴える声もあった。弟子が犯した一連の問題を受け、宮城野親方の監督責任が問われての処分となった。

◆宮城野翔(みやぎの・しょう)本名は白鵬翔。1985年3月11日、モンゴル・ウランバートル生まれ、ムンフバト・ダバジャルガルと名付けられる。00年10月来日、01年春場所初土俵。04年初場所新十両。同年夏場所新入幕。大関昇進した06年夏場所で初優勝。07年名古屋場所で第69代横綱昇進。優勝45回など史上1位の記録が多数ある。19年9月に日本国籍取得し、21年秋場所後に現役引退。通算1187勝247敗253休。金星1個、技能賞2度、殊勲賞3度、敢闘賞1度。