相撲界の新世代にまた1人、新星が現れた。東十両12枚目の阿武剋(24=阿武松)が欧勝海を寄り切りで破り、無傷の3連勝を飾った。日体大で学生横綱に輝いた新十両。同級生には、初日に横綱照ノ富士を倒した新三役の小結大の里がいる。先を行くライバルに追いつくため、狙うは十両優勝。ざんばら髪の2000年生まれが、幕内の土俵を目指して突き進む。
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阿武剋はざんばら髪を乱して攻めた。相手得意の左四つ。土俵中央で粘られた。慌てず、右上手を許さず。最後はがぶった。力強く寄り切った。髪をかき上げて整えながら土俵を下りた。「じっくり攻めた。先にまわしを引けたのがよかった」。初々しく笑った。
学生横綱が「同級生」を追いかける。22年、全国学生選手権決勝戦。日体大同期の大の里を破って優勝した。初土俵は先を越されたが、半年後に幕下15枚目格付け出しでデビュー。所要3場所で新十両に昇進した。順調に階段を上っているが、ライバルは所要6場所で新三役昇進。「自分がそこ(幕内の戦い)に加わっていない悔しさがある。同じ土俵に上がれるよう頑張りたい」。燃やす対抗心も力に変える。
相撲でも“数字”にこだわる。中学時代、出身のモンゴル・ウブス県で数学オリンピック優勝の経歴を持つ。今場所は初日に大の里が横綱照ノ富士、東前頭2枚目平戸海が大関貴景勝を初撃破。スピード出世を比較される同世代が活躍している。残されている「最速記録」は幕内優勝だ。
今場所で好成績を挙げれば、来場所の幕内昇進の可能性もある。目標は2桁勝利&優勝としていたが「まだまだ遠い。あと12番ある。平常心で白星を1つずつ重ねていきたい」。ざんばら髪での幕内へ、勝ち星を足していく。【飯岡大暉】

