大相撲の元大関貴景勝の湊川親方(29)が4日、まげと別れを告げた。
東京・両国国技館で「貴景勝引退湊川襲名披露大相撲」を開催。十両取組などが行われた後の午後、断髪式が行われ、横綱審議委員会(横審)の委員を務めた作曲家の都倉俊一氏、東京都の小池百合子知事ら約300人がはさみを入れた。入場券が前売りから完売という超満員の観衆に見守られ、初土俵から11年余り。師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)の止めばさみで、まげと別れを告げた。入門時の師匠で元横綱、元貴乃花親方の花田光司は出席しなかった。
湊川親方は、終始、涙を見せることはなかった。新髪形は、サイドを大胆に刈り上げ、担当した理容師によると「ツーブロック、サイドパート」だという。整髪の様子を見学に来た常盤山親方には「いいじゃん」と連呼され、母校埼玉栄高の先輩で仲の良い前頭大栄翔には「かっこいい」と言われるなど、こぞって好評だった。湊川親方は断髪式中の心境を問われ「本当に幸せな気持ちでした。引退してから1年経ち、最後の花道を皆さまにつくっていただいた。たくさん来ていただいたおかげで、すばらしい断髪式にしていただいた」と、周囲に感謝した。
まげがなくなり「スッキリしています」と、実際に髪が短くなったことと、現在の精神面を重ね合わせて話した。「ちょんまげには誇りがあったし、力士の象徴。心では整理がついていたけど、この身なりで『完全に終わったな』という気持ち」と、冷静な口調の中に、さみしさをにじませた。
9歳で相撲を始めてから丸刈りで、散髪したのは約20年ぶりだという。最後に新たな髪形となって、再び土俵に立つと、万雷の拍手で迎えられた。「若い子からも、先輩方からも吸収して頑張りたい」。最も若い、20代の親方として精進することを誓っていた。

