大相撲で右膝を痛めて調整が遅れていた大関琴桜(27=佐渡ケ嶽)が、九州場所(9日初日、福岡国際センター)出場に、強い意欲を示した。

2日、福岡市の佐渡ケ嶽部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古に参加。師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)、審判部長を務める一門の理事の高田川親方(元関脇安芸乃島)に「やります」と直訴し、横綱大の里との三番稽古が実現した。相撲を取るまでに回復して4日目とあって連続15番で3勝12敗。それでも「どんな時も出る前提。出られるのに出なくて(来場所)かど番は嫌」と、力強く語った。

稽古では右膝の状態を確認しながら、しり上がりに踏み込みを強め、それに伴って立ち合いの圧力も増した。大の里に攻め込まれても、持ち前の体の柔らかさや土俵際の技術を駆使し、上手出し投げで体勢を入れ替えて勝つなど、番数を重ねるごとに相撲勘を取り戻していた。「横綱と久々に、自分なりに感じながら取った。勝ち負けよりも、自分で感じ取ったものを、しっかりと解消できればと、攻めていくことを考えて取った」と話し、現状としてできる最善の稽古を積めた様子だった。

琴桜は9月の秋場所13日目に、横綱豊昇龍を寄り切って9勝目を挙げた取組で、右膝を負傷した。翌14日目の大の里戦を「右膝内側側副靱帯(じんたい)損傷で全治3週間の見込み」との診断書を相撲協会に提出し、休場した。10月のロンドン公演を休場し、治療に専念。10月30日には、けがして以来、初めて相撲を取る稽古を行った。

右膝の状態について琴桜は「場所で取ってみないと分からない」と、話すにとどめた。ただ佐渡ケ嶽親方は、この日に大の里と三番稽古できるまでに回復できたことに「ビックリした」と、素直に語った。師匠の予想を上回る回復の早さだった。同親方は「本人は『休む』ということを一言も言っていない」と、現時点で琴桜には、休場の選択肢がない様子だと明かしていた。