タイ・バンコクを拠点に活動するAKB48の海外姉妹グループBNK48が13日、東京・代々木公園で、「第19回タイ・フェスティバル」に出演した。昨年7月にAKB48から移籍した伊豆田莉奈(22)にとっては、初の凱旋(がいせん)ライブ。5人のメンバーとともに「恋するフォーチュンクッキー」など4曲を披露した。専属通訳もいない異国の地での芸能活動も順調な様子で、対応能力の高さを明かした。

 雨が降る中、BNK48のメンバー6人が登場した。伊豆田は流ちょうなタイ語で「コーハイサヌックドゥアイガンナカー!(「一緒に楽しみましょう」の意)」と呼びかける。BNKのデビュー曲「会いたかった」や、現在タイ国内で大ブームになっている「恋するフォーチュンクッキー」など4曲を披露。初めてメンバーとともに日本でのライブに出演した伊豆田は、「おかえり~」「久しぶり~」の歓声に、笑顔で応えた。

 伊豆田は昨年7月、さらなる活躍の場を求めて、単身タイに渡った。現地オーディションで合格した日本人メンバー大久保美織(19)はいるが、通訳など専属のスタッフはいない。言葉も語学学校に通いながら、メンバーとのコミュニケーションを通じて習得。「日常会話はできます。メンバーも日本語とかいろいろなことに興味を持って『リナサン、リナサン』と聞いてくれるので、お互い話しながら覚えました」。

 バンコク市内の中心地からほど近いコンドミニアムで生活し、電車やバスを乗り継いで仕事場に向かう。食事も水以外は現地のものを食べるといい「メンバーが連れていってくれるのが日本料理店だったりするので寂しくなりませんし、最初は逆に5キロ太っちゃったくらい…。ホームシックにも1度もかかったことはないです」とたくましい。

 AKB時代は、先輩の小嶋陽菜、渡辺麻友らからかわいがられ、後輩からもイジられる「愛されキャラ」だったが、メンバーからは「あらゆる事態にも対処してくれるし、本当にグループに入ってくれてうれしい」と信頼も集めている。

 BNK48は昨年2月にお披露目され、現在CM9本のほか、先月に行われた初の単独ライブではチケットが即完売するなど人気もうなぎ上り。350人収容の専用劇場も先月末にオープンした。かつて、JKT48に移籍した仲川遥香がスターになり、卒業後も現地で活躍する成功例もある。

 伊豆田は「日本と同じようにまずは劇場公演を大切にしたい。日本からもバンコクに遊びに来てくれるとうれしいです」と話した。【大友陽平】

 ◆伊豆田莉奈(いずた・りな)1995年(平7)11月26日、埼玉県生まれ。10年、AKB48の10期生として加入し、12年に昇格。14年に「曲作りプロジェクト」から誕生した「Reborn」でセンター。昨年4月にBNK48への移籍を発表し、同7月から移籍。総選挙は第3回からいずれも圏外。愛称「いずりな」で、タイでの活動名も「IZURINA」。158センチ。血液型A。