お笑いタレント板尾創路(47)が監督する長編映画2作目「月光の仮面」(今年公開)がこのほど撮了し、板尾が都内で取材に応じた。前作「板尾創路の脱獄王」と同様、主演、脚本も務めた。「-脱獄王」は釜山国際映画祭などでも上映されたが、新作についても「海外の人にも見てほしい」と、自信を見せた。

 新作は、死んだはずの人気落語家森乃家うさぎが復員してくるところから始まる。顔面を包帯でぐるぐる巻きにされた強烈な姿だ。特殊メークをほどこして演じ、そのままカメラをのぞくなど大忙しだ。「風呂のスイッチも押さないくらい、作品だけに集中してました。(間)寛平さんのゴールも見られなかった。でもやりがいがあった」と、約1カ月の撮影を振り返った。

 着想は「撮りたいシーンに前後をくっつけていった」ところからだった。板尾が撮りたかったシーンは、ラストにやってくるが、衝撃的だ。シュールでブラックと言われる板尾らしい台本になっている。

 演出も丁寧だ。例えば、落語家を演じる役者については「役者が落語をやると、どうしても一人芝居になってしまう。気持ちを入れすぎないように演じてもらって、できるだけリアリティーを持って作りました」と説明した。

 共演は浅野忠信、石原さとみらがそろった。2人とも初共演だが「浅野くんは数少ない映画の人ですし、ナチュラルなところがいい。石原さんは、すごく気持ちを入れてお芝居してくれる」と絶賛した。現在、編集作業を行っており、間もなくの完成を目指す。【小林千穂】