先週に続いてテレビ朝日の新人、下村彩里アナウンサー(24)の登場です。幼少期から続けるクラシックバレエと、「ミス・インターナショナル」の活動経験に、アナウンサーを目指したきっかけがありました。

特技のクラシックバレエを披露するテレビ朝日の下村彩里アナ(撮影・小沢裕)
特技のクラシックバレエを披露するテレビ朝日の下村彩里アナ(撮影・小沢裕)

4歳からバレエを始め、踊るのが何より好きな子供だった。「家に父や母のお客さんが来ると、玄関の前でチュチュ(=バレエの舞台衣装)を着て、いきなり踊り出す(笑い)。ウエルカムの気持ちを、踊りで表現するくらい大好きで」。大学進学を決めていたが、「最後のチャンス」と海外のバレエ学校を受験して見事合格した。大学入学からわずか1週間後に休学届を出し、カナダに渡った。

両親とは1年間限定の留学と約束していたが、結局はカナダ、米国、イタリアに2年半滞在し、バレエにどっぷり漬かった。イタリアでは言語の壁にぶつかり、バレエ用語も「英語は『アップ』『ダウン』で分かるじゃないですか。イタリア語は『ス』『ジュ』。えっ? みたいな」。ある時は「『コリコリコリコリ~!』って。「走れ」って意味だったんですけど、分からないから棒立ちで…。その期間はトラブルメーカーでした」と笑う。

言葉が伝わらないもどかしさもあった。「バレエは言葉以外の表現を突き詰めるんですけど、やっぱり言葉がないと伝わらないこともある。感じる心は世界共通ですけど、悔しい思いをしました」。

その後、足首のケガを機に帰国したが、留学経験を生かそうと気持ちを切り替え、帰国翌日に「ミス・インターナショナル」に応募した。「落ちるだろう」と思っていたが、3位に選ばれた。一方で準ミスとしての活動中も葛藤は続いた。「自分はバレリーナじゃなくなったら何になるんだろうって、すごく悩んでました」。

転機は、準ミス時代に地震の復興支援のため熊本を訪れた時に訪れた。カメラの前で感想を求められたが、気持ちをうまく表現することができなかった。「被災者の方と触れ合って目で見たはずなのに、言葉が出てこなくて。話し方や思いをきちんと言語化できるようになりたいとすごく思いました」。アナウンサーという目標が生まれた。【遠藤尚子】(つづく)

◆下村彩里(しもむら・さいり)東京都生まれ。日本女子大家政学部を卒業後、19年テレビ朝日入社。16年「準ミス・インターナショナル」に選出。173センチ。