日本では剛力彩芽が交際中のファッション通信サイト「ZOZOTOWN」を運営する恋人の前沢社長とのラブラブ交際をインスタグラムに投稿して世間の反感を買い、自身のインスタグラムからほぼ全ての投稿を削除したことが話題になっていますが、ここハリウッドでもインスタなどSNSを削除することが流行っています。過去の投稿を削除したセレブたちやその事情などについてまとめてみました。

 今年6月にインスタグラムの全投稿を削除したのは、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」(17年)でローズ役に抜擢されて話題になったアジア系女優ケリー・マリー・トラン。本人はインスタ削除の理由を明かしていませんが、昨年末に同作が公開された直後から同作のキャストの演技や役に対する批判が相次ぎ、その中にはトランの人種や性別、容姿などに関する中傷も多数含まれていたことが原因だと伝えられています。「スター・ウォーズ」シリーズからは、他にも「フォースの覚醒」(15年)でレイ役に抜擢されて一躍大スターの仲間入りを果たしたデイジー・リドリーも一昨年に突如インスタグラムを閉鎖してファンを驚かせました。リドリーは銃乱射事件を受けて「銃による暴力を食い止めなくては」とインスタグラムに書き込んだことで一部のファンから「映画で銃を使っているくせに偽善者だ」と猛批判を受け、「SNSは自分の精神衛生上、よくないと判断した」と削除理由を説明しています。

 自己防衛でツイッターを削除したのは、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」でメガホンをとったライアン・ジョンソン監督。ジョンソン監督は先月、過去のツイッター投稿2万件以上を削除して話題になりましたが、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのジェームズ・ガン監督が過去の不適切なツイートが原因でディズニーから解雇されたことを受けての対応だと伝えられています。ガン監督は小児性愛やレイプなどをジョークにした投稿をしていたことが問題視されて、同シリーズの監督から降板させられたと言われており、来年公開の「スター・ウォーズ/エピソード9」後に展開される新3部作の監督に任命されたジョンソン監督は、過去の投稿で炎上することを防ぐ目的だったのではと言われています。一部ではディズニーから削除命令があったのではとも噂されましたが、本人はそれを否定。「間違ったことをツイートしたことは一度もないが、過去の投稿を攻撃手段として精査する人間が正当化されるなら、削除することは致し方がないのでは」と語っています。

 インスタ削除は新作のプロモーション? と言われているのが、マイリー・サイラス。サイラスは先月13日に過去の全ての写真をインスタグラムから削除し、アイコンと背景も真っ黒にしたことで様々な憶測を呼んでいます。婚約中のリアム・ヘムズワースとの破局が原因との憶測もありましたが、後日ヘムズワースがラブラブドライブデートの様子を自身のインスタグラムで公開してこれを否定。そのため、多くのファンが新アルバムや新プロジェクトを始める前に全ての投稿を削除するプロモーションの一環であることを期待しています。ハリウッドでは近年、インスタ投稿を突如削除して世間の注目を集めてPRに利用するセレブが増えており、過去にはテイラー・スウィフトや元ワン・ダイレクションのゼイン・マリクらも新アルバムのPRのためにインスタグラムの投稿を削除しています。

 ラブラブ交際をアップして炎上したのは、アリアナ・グランデとスピード婚約したコメディアンのピート・デヴィッドソン。「インターネットは悪影響。ネガティブなパワーに溢れたインターネットを使う必要性がない」とコメントし、先月23日に過去のインスタグラムの投稿を全て削除。デヴィッドソンはグランデが亡き祖父の写真を投稿した際に、「なんてかわいいんだ」とコメントし、「不謹慎だ」との批判が相次いだことなどが理由だったとも言われています。一方のグランデもデヴィッドソンとの過剰なイチャイチャぶりを公開して痛烈な批判を受け、自身のアカウントのコメント欄を閉鎖。しばらくはSNSの更新を休止するデジタル・デトックスを決意したなどと伝えられています。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)