新型コロナ第3波がきているとも言われ、全国の感染者数過去最高を更新している中、3連休前日の金曜となった20日夜、日本最大級の繁華街、東京・新宿の歌舞伎町の状況はどうなのか。短時間、街をウオッチしてみた。

まず昨夜(20日夜)は、季節外れの暖かさ。午後7時半ごろの時点で新宿駅にある気温表示板は「22℃」となっていた。

3連休前夜の新宿は午後7時半の時点で気温22℃。冬間近とは思えぬ暖かさだった
3連休前夜の新宿は午後7時半の時点で気温22℃。冬間近とは思えぬ暖かさだった

午後8時台に歌舞伎町の街ほぼ全域を徘徊してみると、コロナ禍前の「通常期」に比較すれば路上における人出は数割くらい少ないままのように感じたが、最近の金曜夜に比べれば、(ここ何日かの第3波急拡大状況を受けて)著しく人が激減したというほどでもない…という印象だった(※あくまで筆者が見た時間帯とエリアにおける個人的な印象です)。

3連休前夜の歌舞伎町中心部。全国のコロナ感染者数が過去最高を更新する中、人出が激減したというほどまでの印象はなかったが、それよりも右側のビルにある「売地 歌舞伎町ど真ん中 40億円」と書かれた派手な看板が目立ちまくっている
3連休前夜の歌舞伎町中心部。全国のコロナ感染者数が過去最高を更新する中、人出が激減したというほどまでの印象はなかったが、それよりも右側のビルにある「売地 歌舞伎町ど真ん中 40億円」と書かれた派手な看板が目立ちまくっている

あちこちのガールズバーの前には若い勤務女性が立って料金表を持つなどして宣伝し、キャバクラなどの案内所も複数営業。「さくら通り」や「東通り」周辺には、いつものように黒人の客引きが何人もいた。

また、筆者も複数回声を掛けられたことがあるが、何年も前から路上におり「売春」をあっせんしている高齢女性の客引きも活動中。歌舞伎町2丁目エリアに行けば、ホストが路上で、若い女性歩行者に「初回はどうですか?」などと勧誘する光景も。

歌舞伎町「セントラルロード」も午後8時台、そこそこの人出か。この道をまっすぐ行って突き当たりを左に歩いたところにある「松屋」に行こうかと一瞬思ったが、半年前に閉店していたことを思い出し寂寥感に包まれる
歌舞伎町「セントラルロード」も午後8時台、そこそこの人出か。この道をまっすぐ行って突き当たりを左に歩いたところにある「松屋」に行こうかと一瞬思ったが、半年前に閉店していたことを思い出し寂寥感に包まれる

ただ、中心部の旧コマ劇場広場近くに絞ってみてみると、例えば5月には「松屋」新宿歌舞伎町店が閉店。派手に営業していた「ダイコクドラッグ」歌舞伎町一番街1階店も先月閉め、35年の歴史を誇る大型ゲームセンターは今月末に閉店すること発表しており、街の風景そのものも変わっていっている。

そうした中、「大型開業」もあった。昨年5月、当日誌でも「歌舞伎町アパホテルラッシュ」という記事を書いたことがあるが、そのアパホテルの1つ「東新宿 歌舞伎町タワー」が今月6日に堂々と営業を開始していた。

「職安通り」沿いにそびえる20階のタワーホテルで、隣接するアパホテル「東新宿 歌舞伎町西」が「西棟」となる形で、計747室を持つという。これでアパホテルは歌舞伎町エリア(東新宿含む)だけで計6つのホテルを営業していることになるが(うち2つはタワー型)、コロナ禍が続き外国人観光客の復活も不透明なままの中、果たしてどう“攻めて”いくのか。

さまざまな業種で閉店も相次ぐ中、今月6日に堂々開業したアパホテル「東新宿 歌舞伎町タワー」はかなりの存在感。ただ、向かい側にある“韓国ちゃんぽん”などの韓国風中華専門店「香港飯店0410」前の行列もかなり気になった
さまざまな業種で閉店も相次ぐ中、今月6日に堂々開業したアパホテル「東新宿 歌舞伎町タワー」はかなりの存在感。ただ、向かい側にある“韓国ちゃんぽん”などの韓国風中華専門店「香港飯店0410」前の行列もかなり気になった

また、週末夜とあってキャバクラやホストクラブのド派手な大型宣伝トラックも複数、歌舞伎町周辺をぐるぐる走行。あるホストクラブの宣伝トラックにでかでかと書かれた「色恋は自粛できない」という文言をみて、思わず口をあんぐり開けて立ち止まってしまった。

【文化社会部・Hデスク】