上方落語の重鎮、桂春団治(85)が3日、約2年ぶりに出演予定だった舞台をキャンセルした。

 堺市立東文化会館で行われた「桂春団治生誕85年記念 三代目桂春団治一門会」で、桂福団治、桂春之輔ら弟子とトークコーナーに出演予定だった。

 出演を交渉していた担当者によると、この日午前8時30分ごろ、春団治本人から電話で「出たかったが、体調が優れない。申し訳ない」と、断りの電話があったという。

 春団治は13年夏、療養を兼ねて入院。その前後に足の爪を痛めたり、入院先の病院でトイレに行こうとした際に転倒して肋骨(ろっこつ)にひびが入るけがを負うなどし、本格的な舞台から2年ほど離れている。

 「不格好な姿は見せたくない」という完璧主義者でもある。足をけがした際には「正座ができないなら高座に出られない」と休演したこともあった。だが今回は、自らの生誕85年を祝う一門会で、トークコーナーへの出演であることから出演を受諾していた。

 同担当者は、1カ月前にも春団治に会ったといい「久々に、お客さまの前に元気なお姿を、と思って(出演を)お願いして(春団治自身も)前向きでいらっしゃったんですが…」と残念そうだった。

 同担当者によると、最近も調子がいい日は散歩を続けているという。

 トークコーナーには福団治、春之輔らが出演。福団治は「昨日までお元気で『楽しみや』言うてたんですけど、今朝になって突然、体調を崩されて…」と説明。ただし、急激な体調の変化や急病ではないとし「緊急やとか、そういうことではないんです」と話していた。