熊本出身のお笑い芸人レイザーラモンRG(41)が20日、東京・ルミネtheよしもとで、吉本興業所属芸人とともに熊本、大分両県を中心に相次ぐ地震被災者支援の募金活動を行った。震度7の地震が発生した前日の13日まで、テレビのロケで熊本に滞在。「一緒に給食を食べた小学生たちが心配」と涙を浮かべ、故郷を心配した。吉本芸人はこの日、全国11劇場で募金を始めた。

 RGは、14日に震度7を記録した熊本県益城町と同じ、上益城郡・甲佐町の出身。愛媛県に転居した小学4年の夏まですごした。美恵子夫人(37)は熊本市内に実家があり、県内には親戚、知人が多数いる。

 13日には益城町に隣接する阿蘇郡西原村の河原小で、地元局TKUの情報番組「英太郎のかたらんね」のロケ収録を行っていた。笑顔あふれるロケの翌日に起きた震災に「子どもたちが心配。熊本での仕事も増えてきて、小学校で別れた同級生たちと会えるのを楽しみにしていたのに。熊本に恩返ししたいのに」とうなだれ、大変な状況の故郷を思い涙を浮かべた。

 美恵子夫人の実家では、義母が倒れてきた家具で頭を打った。大事にはいたらなかったが「今年の正月も熊本ですごした。妻の妹がいろいろな人に連絡して安否を確認してくれている。親戚で命を落とした人はいないが車中泊を余儀なくされている人もいる。今すぐは無理だけど、来週にも熊本に行きたい」と話した。

 そして「お笑いっていうのは、こういう時に何も出来ない。この募金とか、出来ることをやって、あとはお笑いの仕事を頑張るしかない」と唇をかんだ。RGの悲痛な表情に、お笑いコンビ「レイザーラモン」相方のレイザーラモンHG(40)も「何かをやりたいけど、現地に行くのは難しい。この募金をメディアで見て、支援の輪が広がってくれれば」。大西ライオン(36)は「全力で(持ちネタの)『し~んぱ~い、ないさ~』と言いたいけど、今はその時期じゃない」と半裸の衣装でうなだれた。

 RGは、歌に合わせて「あるあるネタ」を披露する芸でブレークした。「ネットで災害の状況を募ったら、避難している女子高生がツイッターであるあるネタを返してきた。つらい中でも頑張っている」と希望を見いだしている。「熊本城の瓦が落ちている映像を見た時はショックだったけど、復興のシンボルになって欲しい」と言葉に力を込めた。【小谷野俊哉】