脚本家倉本聡氏(81)が16日、演劇活動から退く意向を明かした。都内で行われた富良野GROUP特別公演「走る」(来年1月15日から北海道・富良野演劇工場、2月2日から東京・池袋サンシャイン劇場など17都市で巡演)の会見で「もう体が続かない。これが最後の舞台になると思う」と話した。97年初演の「走る」は、マラソンを走る若者の姿を通して生きる意味を問いかける作品。全編走り続ける異色の設定のためオーディションで約40人の出演者を決めた。「心残りのように残っていた作品。戦後の日本はブレーキなしに走りすぎた」。

 全国巡演を最後に演劇活動から退くが、来年春の連続ドラマを書き上げるなど脚本の仕事は続ける。「以前は依頼があると飛び付いたが、今は決心まで時間がかかる。全力疾走でマラソンをしてきたけど、体の衰えもある。ちょっと疲れた」と話した。