ミュージカル「ピーターパン」(7月24日開幕)で主演に抜てきされ、女優デビューする吉柳咲良(きりゅう・さくら=13)が3日、都内で取材会を行った。栃木県出身の中学1年生で、昨年のホリプロタレントスカウトキャラバンで最年少グランプリを受賞した。今年春から上京し、中学校に通いながら稽古に励んでいる。

 稽古は1日約5時間。慣れない東京暮らしと芸能活動に苦しんでいるかと思いきや「『楽しい』だけじゃ表せないくらいに、本当にすごい!」と、演出家藤田俊太郎氏が作り出す「ピーターパン」の世界に夢中の様子だった。「何よりも稽古が楽しい。毎日行くのが楽しみで、稽古場ではずっと笑っています」と前向きに取り組んでおり、「グランプリを取った直後より意識は変わったかな」と、主演としての責任も感じているようだ。

 初舞台が近づいてきた。七夕が近いこの日は「人生初」という浴衣姿で登場したが、これをもって“女の子”は封印。気持ちを切り替えて、ピーターパンになりきる。「中学でも、友達や先輩が『電車で(ポスター)見たよ』とか『頑張ってね』とか、『チケットどうやったら取れるの』って聞いてくれます」と、応援してくれている人たちの期待に応えるためにも稽古に励み続ける。

 憧れは、スカウトキャラバンの先輩、「神のような存在」という石原さとみ。夢は世界的女優になることという。しかしライバルは多く、同世代には芦田愛菜、鈴木梨央、本田望結、谷花音ら子役出身の実力派がひしめく。「私は芦田愛菜ちゃん世代。レベルの差があるけど、尊敬して憧れて頑張っていこうと思います。いつかは『私の世代』を作ります」と、照れながらも力強く宣言した。

 ミュージカル「ピーターパン」はフック船長を鶴見辰吾、ウェンディを神田沙也加が演じる。東京公演は7月24日から8月3日まで東京国際フォーラム、その後、8月5日、6日に静岡市清水文化会館マリナート、8月12日、13日に梅田芸術劇場で上演される。