ミュージシャン布袋寅泰(55)が24日、東京・西武池袋本店で3年ぶりのニューアルバム「PARADOX」(25日発売)発売を記念した期間限定店のオープニングセレモニーに出席した。

 同作について「世界が混迷、混沌(こんとん)とした時代を迎えている」と切り出し、「難民問題や社会問題など難しい問題があるけど、そこから目をそらさずに向き合うことで、今後どんな未来をつかんでいくのか。ただ現実向き合って重苦しいものをシェアするのではなく、未来に向けてリスナーの皆さんと感じ、考えられるようなポジティブなアルバムにしたいと思って作った」と力強く語った。「こういうと重苦しいアルバムに聞こえるかも知れないけど、全体的には抜けのいい、聞き終わったらスカッとするアルバムです」とアピールした。

 同作には日英米のミュージシャンが参加しているが、「今回ギターのみならず、キーボードやエンジニアリングも初めて手をかけた」と自身にとっても初挑戦した意欲作で「思い入れのある作品に仕上がった」という。「現代を切り取るということで言葉も大切にした」という同作では、3曲で作詞も手がけている。リード曲でもある「Dremaes Are Lonely」は「夢を見ること、追うことは大切だけど、とても難しい」といい、「ボクのファンも一緒に年を重ねていろんなチャレンジをして、もがきながら前に向かっている。孤独だけど夢を持つことを忘れたくないというメッセージです」と話した。

 同作を携えたツアーも26日の群馬公演を皮切りにスタートする。「今年は海外の活動が多かったけど、年末を日本のファンと一緒に過ごせるのはとても楽しみです」といい、「新作を中心に最新の布袋サウンドをシンプルな構成でダイレクトに、迫力のあるサウンドでお届けしたいです」とメッセージを送った。ツアーファイナルはクリスマスに横浜アリーナで行う。「クリスマス公演はなかなかできないし、横浜アリーナは僕は思い入れのある場所。クリスマスパーティーをファンの皆さんと大いに盛り上がって楽しみたい」と話した。

 同店は11月7日まで、期間限定でオープン。35周年ツアーで着た衣装や、実際に布袋が弾いたギターも展示される。ギターは試し弾きも可能だ。「レコーディングの音色でセッティングしているので、松井(秀喜)のバットやF1ドライバーのハンドルのような感覚で、布袋になりきってください」とアピールした。