昨年の紅白歌合戦第2部の平均視聴率は、89年の2部制以降ではワースト3位と、いまひとつでしたが、内容は、前年16年の紅白よりも高い評価をNHKの内外で得ていたように感じます。

 特に総合司会の内村光良については、紅白制作関係者から「素晴らしかった。とてもうまかった」「現場の雰囲気も内村さんのおかげでまろやかになった」「来年もお願いしたいくらいだ」と高い評価が聞こえてきました。NHKにとっては念願だった安室奈美恵や桑田佳祐も出演し、午後11時台の視聴率は、40%を大きく上回っていたようです。

 一方で、第2部開始の午後9時から1時間ほどは、視聴率が第1部とほぼ同レベルの35~38%台と、なかなか40%に届かなかったようです。40%台を記録するようになったのは午後10時を過ぎてからだとか。

 これは、中高年の視聴者を意識し、演歌や歌謡曲の歌手が多数出演したテレビ東京系「第50回年忘れにっぽんの歌」が午後4時から同10時まで放送された影響が大きかったと思われます。民放の紅白裏番組の視聴率は、例年とほぼ同じ。違うのは、テレビ東京の同番組の視聴率が8・4%と、前年16年の同局の紅白裏番組だったボクシング中継の3・9%から4・5ポイントもアップさせたこと。

 テレビ東京の「年忘れ-」が、もし11時まで放送されたら、紅白にもっと大きな影響を与えたかもしれません。今年の大みそか、テレビ東京が「年忘れ-」の終了時間を1時間遅らせ、午後11時までにするかどうか楽しみです。