TBS系「NEWS23」でメインキャスターを務めたフリーアナウンサー膳場貴子(43)が、同番組で共演した毎日新聞社特別編集委員の岸井成格(きしい・しげただ)さんが死去したことを受け、「大好きでした、どうぞ安らかに」と追悼した。

 膳場アナは16日、フェイスブックを更新。「正義感の強い、真っ直ぐな人でした」と岸井さんをしのんだ。

 岸井さんは「NEWS23」に13年から16年までアンカーとして出演。膳場アナは「権力に対し、臆することなくおかしな点を指摘できる、尊敬すべきジャーナリストでした。政治記者の長いキャリアと見識に裏打ちされたコメントは、鋭さだけでなく、日本の将来を思う熱意に溢れていました。ぶれることなく邁進する姿に、一緒に番組作りをしていたスタッフもおおいに励まされたものです」と振り返った。

 また膳場アナは、多様な価値観を受け入れる度量の広さも岸井さんの魅力だったという。「ご自身は亭主関白な昭和の男、と自認していらっしゃいましたが、私が出産後ふたつき程で仕事に復帰した時は、心から応援してくださったし、1年近い育休をとってくれた夫に対しても、子育てを大事にする男性のあり方を褒めてくれ、嬉しかったことを思い出します」と、岸井さんの人柄を表すエピソードをつづった。

 岸井さんと最後に会ったのは今年2月で、入院中の病室を尋ねると「身体のしんどさに耐えながらも、娘に目を細め、笑顔を見せてくれました」という。「病室を後にするとき、力強い握手を交わしたのが、岸井さんとのお別れになりました」とし、「大きな存在を失った喪失感は言葉では言い表せませんが、少しでも遺志を継げる報道人になりたいと思っています。岸井成格さん、大好きでした、どうぞ安らかに」と悼んだ。

 岸井さんは15日午前3時35分、肺腺がんのため東京都の自宅で死去した。73歳だった。