「お嬢様キャラ」で親しまれ、俳優、歌手、テレビ番組の司会などマルチに活躍した朝丘雪路(あさおか・ゆきじ、本名加藤雪江=かとう・ゆきえ)さんが4月27日に死去していたことが19日、分かった。82歳だった。

 朝丘さんの父は、日本画家の伊東深水さん。父から溺愛されて育った朝丘さんは、お嬢様キャラに加え、奔放、天然発言でも注目を集めた。

 3歳で日舞の世界に入った朝丘さんは52年、宝塚歌劇団に入団。当時は男役、娘役の格差が今ほど大きくなく、退団は55年と短かったものの、娘役としての人気、評価は高かった。

 その朝丘さんは14年4月4日、兵庫・宝塚大劇場で行われた、劇団100周年の祭典に出演。八千草薫、大地真央、黒木瞳ら大勢のOGのもと、真矢みき(当時)進行のトークイベントに登場し、自らを「裏口入学」と言い、共演者をあわてさせたことがあった。

 娘を溺愛する伊東深水さんを心配した劇団創始者の小林一三氏が心配していた縁もあり、両氏は知り合いでもあったといい、朝丘さんは「宝塚に入りたいって父に頼んで(宝塚音楽学校には)裏口入学したの」と発言。客席から爆笑とともにざわめきも起こった。

 もちろん、現在のような音楽学校の受験制度は確立されておらず、詳細は定かではないものの、父と一三氏が旧知の仲だったことから、自身を「裏口入学」と表現したようだった。