豊川悦司(56)が11日、東京・ディフア有明で行われた映画「パンク侍、斬られて候」(石井岳龍監督、30日公開)完成披露試写会で、撮影中にぎっくり腰になり、主演の綾野剛(36)にマッサージを1時間、受け、その感謝の思いから、次の日から演じる役どころのトーンを変えたと明かした。

 豊川は撮影中のエピソードについて聞かれ「撮影2日目にぎっくり腰になりまして、綾野君とのシーンだったんですけど、60分くらい、綾野君がセットの中でずっとマッサージしてくれまして」と照れ笑いを浮かべながら明かした。

 豊川は劇中で黒和藩の筆頭家老・内藤帯刀を、綾野は“超人的剣客”を自称する浪人・掛十之進を演じた。内藤は、黒和藩に自らを売りこんできた掛をおどし、時には言うことを聞き、藩内の権力闘争を優位に進めるため、掛をうまく使う黒幕的な役どころだ。豊川は「そういうスキンシップ(マッサージ)を経た後、次の日の撮影から、ちょっとキャラクターを変えさせていただいて、内藤は掛が大好きだという形になりました」と笑いながら明かした。

 映画の中では、掛に厳しく当たる場面も見られる一方、柔らかく接する場面も見られ、その二面性が物語を、より面白くする。そこにはストーリーそのものに加え、豊川の綾野に対する感謝の思いも、いくばくか働いていたようだ。【村上幸将】