歌舞伎俳優中村勘九郎(36)が20日、茨城県内で、酷暑の中のオープンセットで、主演する来年1月スタートのNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺」(日曜午後8時)のロケと会見を生田斗真(33)ら共演者と行った。

 勘九郎は「豪華ですてきで、ちょっと奇抜な俳優陣。また、暑さに負けない熱い魂を持っていいものを撮ろうとするスタッフの皆さんとともに、テーマパークに足を踏み入れたようなセットで撮影ができていることを幸せに思います」とあいさつした。また「こんな大河を見たことがないと、見た人が言ってくれるような最高の作品になっていると思うので期待してほしい」とPRした。

 酷暑の中、黒のロングコートを着て撮影した。「着物に慣れているが、こういうのは慣れないが、慣れないのが、それも金栗四三さんらしいので」と暑さに負けずに撮影に臨んでいる様子をうかがわせた。

 物語は、日本が初めて夏季オリンピック(五輪)に参加した1912年のストックホルム大会から64年の東京大会実現まで、日本人の泣き笑いの52年間を2人の主人公のリレー形式で描く。前半は勘九郎が日本人初のオリンピック(五輪)選手でマラソン選手の金栗四三を、後半は阿部サダヲが64年の東京オリンピック(五輪)招致に尽力した記者の田畑政治を演じる。

 勘九郎は「説得力のある体にしようと思い、マラソンの練習は昨年の今頃からスタートしました。今年1月から体を絞りはじめました。体重はそんなに落としていなくて、体脂肪を落としている感じです。10%か11%。金栗さんのようながっちりした肉体作りをやっています」と紹介した。関係者によると、1日に10キロ走ることもあるという。

 また、「この暑さで闘うアスリートは大変。金栗さんもストックホルムオリンピック(五輪)で日射病にかかって途中棄権に陥った。連日、テレビでもやっているが、路面を、暑さを反射するようにしたり、アスリートの方々が持てる力を出し切れる環境をつくって、我々も2020年スタジアムで応援できたらいい」と語った。

 生田は「とんでもないスケールで撮影されています。先輩方の熱い思いを受けております。毎日の撮影がワクワクしています。早くお客さまに届けたい。セットも細部まで自信をもってお届けできるクオリティー」と語った。金栗とともにオリンピック(五輪)に出場した陸上競技選手の三島弥彦を演じる。

 会見には他に永山絢斗、満島真之介、近藤公園、武井壮、古舘寛治、シャーロット・ケイト・フォックス、杉本哲太、竹野内豊、役所広司も出席した。

 永山は「1つの役を長く演じられるのは幸せ。ゆっくり、じっくり、そして、早くキャラクターをつかんで、大事に最後までまっとうしたい」。

 満島は「演じるのは日本最初の応援団長です。人生で一番のはまり役だと思う」。

 近藤は「元気の権化の役。ニヤッとしてもらえる存在でいたい」。

 武井は「オリンピックを題材にした作品に出演させてもらえるのはアスリートとして25年やってきた中で、幸せなことでありがたい。アスリート、タレントとして培ってきたすべての総合点で、皆さんに失礼にならないような演技をしたい。そして20年の東京オリンピック(五輪)が最後にならないように、また東京に呼べるように頑張っていきたい」。

 シャーロットは「台本が面白い。とても楽しみ。最後まで頑張ります」。

 古舘は「セットも衣装もすごいが、暑さだけは再現できていない。描いて1900年の最初の頃はこんなに暑くなかった。この時代の夏は耐えられない。暑さも当時に戻してほしい」。

 杉本は「今日の暑さに負けない暑苦しい男を演じています」。

 竹野内は「台本を読むと、今までにない、脚本家宮藤官九郎さんの個性が熱く描かれている」。

 役所は「熱いドラマ作りをしている。セットもさすがNHK。予算がたくさんある。素晴らしいセット。お金が掛かっている。予算がかかっている作品だと思う。衣装は、衣装担当さんが冬に向かって暖かいコートを作ってくれたので猛暑の中、すごくつらい。冬にはありがたい衣装になってくると思う」と苦笑いした。