京本政樹(59)が17日、東京・神田明神で行われた漫画誌「COMIC魂(コン)」主催の時代劇トークショーに出席した。

京本は「必殺シリーズ」で組紐屋の竜、「水戸黄門」で名張の翔を演じ、これまで数々の時代劇に出演。時代劇に出演し始めたばかりの自身を「18、19(歳)で、くそ生意気」と振り返りながら、「役をもらった時は常に(主演を)食おうと思ってましたよ。ぶっちゃけ、自分のディテール作りに一生懸命ですから」と当時の熱量を明かした。

脇役でも光る演技が大事とし「時代劇のヒーローを演じた皆さんはそうだったと思います。藤田まことさんでさえも、中村主水は必殺シリーズとしては最初は脇(役)だった。でも消えない存在になって、次のシリーズは主人公になって」。

また、藤田さんを「あの方は、一切これをやっちゃいけないとかなかった。どんどん自分を超えていけって」と懐かしみ、「そのぶつかりがあったから(必殺シリーズが)連作になったんじゃないですかね」と感慨深げに話した。

時代劇の京本と言えば、色っぽく垂れ下がった前髪が印象的だが、きっかけは深作欣二監督作の映画「里見八犬伝」だったという。

撮影前の衣装合わせで用意されていたのが、当時流行していた青春映画「ビーバップハイスクール」を思わせる“リーゼントカツラ”だったといい、京本は「深作さんはぶっ飛んでた。結髪の人も『やってやったぞ!』という感じで」と笑った。

結局、リーゼントカツラは周囲の助言を受けた深作監督が取りやめたという。その後破れかぶれに結髪担当者が前髪部分を切り落としたところ、ばらけた前髪が好評となった。「似合うってなって、(里見八犬伝で演じた)犬塚信乃になり、組紐の竜につながるんです」と前髪誕生秘話で会場のファンを驚かせていた。