今年で42回目となる山路ふみ子映画賞の贈呈式が30日、都内で行われた。

映画「寝ても覚めても」(東出昌大主演)で映画賞を受賞した浜口竜介監督は「運営を手伝っている学生さんからさきほど『ミゾグチさん』と間違えて呼ばれました。偉大な先輩(溝口健二)の名はたいへん光栄で、賞をいただいたごほうびです」と笑わせた。

この作品で新人女優賞となった唐田えりか(21)は「撮影中はずっと胸が苦しくなりましたが、こんな歴史のある賞をいただいて言葉がありません」と涙を見せた。

功労賞は、大林宣彦作品を長年手掛けてきた夫人の恭子プロデューサー(79)。闘病が伝えられる大林監督について「本人はあと30本撮りたいと本気で言ってます」。大林監督自身も飛び入り登壇。「長年私を助けてくれた妻が、こうしてすばらしいみなさんと一緒に表彰され、人生で1番の幸せをかみしめております」と語り、満場の拍手を浴びた。また、長年の功労で特別賞となった草笛光子(85)は「最初に映画に出たのは65年前。テレビの無かった時代です。楽しい思い出ばかりです。85歳ですが、楽しい女優だったと思われながら死んでいきたい」と笑顔を見せた。

女優賞の安藤サクラ(32)はNHKテレビ小説「まんぷく」収録中のため欠席した。