市村正親(70)が旭日小綬章を受章し、5月28日には令和初の勲章伝達式に参加した。伝達式終了後、勲章を胸につけ、天皇陛下に拝謁(はいえつ)するため皇居に向かった。

受章が決まった時の会見を取材したが、市村は「万歳!」と言いながら、取材会場に現れ、素直に受章を喜んだ。「一生懸命に役者をやってきてよかった。好きなことを徹底してやったおかげで、こんな素晴らしいものを頂けた。これも両親、蜷川幸雄さん、浅利慶太さん、いろんな方のおかげ。手を合わせ、感謝の意を表したい」。

「ミス・サイゴン」「ラ・カージュ・オ・フォール」など出演作は再演を重ねている。「当たり役だらけだよね。『炎の人』もまたやりたいし、『屋根の上のヴァイオリン弾き』も2年後に再演する予定。でも、常に新しいものをやって、『本当に70歳なの?』と言われれるぐらいのパワーを出したい」。

先日、「元気すぎる70歳」というサブタイトルでNHKで密着番組が放送されたが、14年に胃がん、15年にヒザの半月板を手術している。「うまい具合に胃が半分になっているから太らないで済むんだ。人の人生を生きるから情熱がないとね。1000人や2000人のお客さんの前で演技するから、こっちがタフじゃなかったら、お客さんを納得させられない」。

6月22日からは、こちらも「元気すぎる85歳」の草笛光子との共演で舞台「ドライビング・ミス・デイジー」に初挑戦する。仲代達矢(86)が14年前に演じている役だが、草笛と市村という「元気すぎる」2人の舞台が楽しみだ。【林尚之】