フリーアナウンサー生島ヒロシ(69)が会長を務める生島企画室から、今年4月に3人のテレビ局のアナウンサーが誕生した。

フジテレビの佐久間みなみ(22=上智大国際教養学部卒)と渡辺渚(23=慶応大経済学部卒)、静岡第一テレビの太田紅葉(くれは、22=成城大社会イノベーション学部卒)の3人だ。

89年3月にTBSを退社、同年4月に弟の隆社長(64)と2人きりでスタートした生島企画室にとって、創立32年目で初めての局アナが一挙に3人も誕生した。会長の生島は「うちとしては若手のホープの戦力をそがれた(笑い)。でも彼女たちの人生を考えたら、局アナになれたのはいいこと。うちに所属していろいろ経験して、度胸も自信もついただろうから、自由に伸び伸びと頑張ってほしい。将来、そのままでもいいし、独立の際にはぜひ考えてほしい」と、フリーアナとしての再所属をアピールする。

佐久間アナについては「いろいろな意味でずぬけていた」。渡辺アナには「頭もいいし、いろいろなことができる可能性があった」。太田アナには「浜松出身で地元局に就職できてよかった」と言う。生島は「いずれにしても、3人ともうちに所属していたことを喜んでくれたんでよかった。3人も局アナが誕生したのは、ある意味ラッキー。うちのマネジャーたちの見る目があったんでしょう」と言う。

今年1月には「生島トーク塾」を開講した。「後進の育成というか、ビジネスマンのトークアドバイザーになれたらと。仕事でしゃべらなくてはいけない人に教えてあげたい。例えば安倍さん(笑い)」と、国会答弁や会見で時折言葉に詰まる安倍晋三首相の名前を挙げた。

2人きりで始めた事務所も、ここ5年で急成長。現在は100人を超えるタレントが所属するようになった。「基本的に、こちらからリクルートしているわけではない。業界の方々からの紹介。うちは頼みやすいんじゃないかな。頼まれたらできるだけ役に立ちたいと思うけど、結果を出さないといけない」。

アナウンサー、文化人が中心だった所属タレントも、俳優、歌手とジャンルが広がっている。生島企画室の名前を背負って売れっ子になった優木まおみ(40)から、女優浅野温子(59)フリーアナ小林麻耶(40)、せんだみつお(72)、そして歌手で俳優の池畑慎之介(67)と実績あるタレントも所属するようになった。

「前は格闘技で言えば、立ち技系の空手だけだったのが、今はオールラウンドの総合格闘技になった感じかな(笑い)。どうなるかワクワクしています。その分、タレントとLINEとかで直接対話するようにしています。対応するスタッフも努力しなければいけない。僕も知り合いの音楽事務所の社長に会って話を聞いたり勉強している」。

タレントの増加につれてスタッフも増やさなくてはならない。「マネジャーを増やすということは、固定費を増やすこと。そこは慎重に、隆社長と飯尾(友康)副社長と3人で話し合っている。あと借金を抱えたことがあるので会計事務所にも相談して、無理せずに健全財政を心掛けています」と経営面を引き締める。

自身もTBSラジオ「おはよう定食・一直線」(月~金曜午前5時)でパーソナリティーを務めるバリバリの現役アナウンサー。「老けてなんていられない。くよくよ悩まずに、前を向いて行くだけ。縁のある人に幸せになってほしい。そのために役立てたら」と話している。