UXの夕方の情報番組「スーパーJ にいがた」(月~金曜、午後4時40分~午後7時。県内ニュースは午後6時15分から)のキャスターを務めているのが入社4年目の石橋里紗アナウンサー。4月から岡拓哉アナウンサー(28)とともに番組の仕切り役を担う。清楚(せいそ)な容姿、ソフトな雰囲気の奥に報道する側の強い意志を持って視聴者と向き合っている。

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“夕方の顔”になって3カ月が過ぎた。「まだ慣れないですよね」と照れ笑い。4月、「スーパーJ にいがた」のキャスターに就任した当初は新型コロナウイルスの全国的な感染拡大警戒の時期。社会の緊張が伝える表情にも出ていた。時間がたち、「少しずつ自分を出そうと思っています」と呼吸が整ってきた。

出番は夕方だが、午前中には当日のニュースの取材に出る。午後からは放送に備えて編集。慌ただしくも、日々の内容は濃い。入社から3年間は天気、番組のナレーションなどのほか、遊軍的に週2回ペースで報道取材を担当した。今でも現場取材は継続しているが、それをスタジオで伝えるのがメインの仕事になった。

「取材担当者のメッセージを、どんなニュースの時にも考えています」。自宅では各局の夜のニュースをじっくり見る。キャスターに独自のコメントが求められる場面は多い。「等身大の自分の言葉だけでなく、深さも必要」。他局のキャスターの所作から、間の取り方、空気感などを学ぼうと意識を傾ける。

アナウンサーを志すきっかけは中学3年の時。生徒会の行事で司会を担当すると、放送部の顧問から勧誘を受けた。慶大に進学後は放送研究会に所属。アルバイトで司会などを経験するようになり、職業にする決意をした。福岡出身でUX入社まで新潟に縁はなかった。「自然が豊かでのんびりとした雰囲気。自分の性格に合っています」。県内の温泉めぐりなど楽しみも見つけた。夢をかなえた町は、お気に入りの土地になった。

同時に仕事を通じて県民の生活に役立ちたいという気持ちも芽生えてきた。「県内の経済や生活の課題などを具体的に掘り下げて伝えたい」。新型コロナウイルスの影響を受けた人への生活支援制度の取材で制度の課題をピックアップ。「もっと時間をかけて検証をしたかった」。初めて取り上げた硬いテーマに反省すると同時に意欲も湧いた。「弱い立場の人に常に寄り添う。そんな伝え手でありたいです」。内面にあるのはジャーナリストとしての自負。毎日のニュースを提供しながら、なりたい自分を形作っていく。【斎藤慎一郎】

◆石橋里紗(いしばし・りさ)2月14日生まれ、福岡県出身。筑紫女学園から慶大。慶大では放送研究会に所属。17年にUXに入社。今年3月まで2年間、日刊スポーツ新潟版のUX女子アナコラム「りさチャンネル」を担当。趣味は料理と筋トレ。165センチ、血液型AB。