19日スタートのTBS系日曜劇場「半沢直樹」(日曜午後9時)の制作発表会見が12日、リモートで行われた。

主演の堺雅人(46)、上戸彩(34)、及川光博(50)、片岡愛之助(48)、今田美桜(23)、香川照之(54)、井川遥(44)、尾上松也(35)、市川猿之輔(44)、北大路欣也(77)が出席した。

同ドラマは、4月スタートの予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて約3カ月、初回放送が遅れた。

7年ぶりの新シリーズに堺は「ようやく半沢直樹が帰って参りました」とあいさつ。「途中撮影の中断がありましたから感慨もひとしおです。1作目と2作目の間を中断と考えれば今回2回中断があった形になります」と前置きし、第1話を見た上で「まだ死んでなかったんだ、まだ脈はあるんだって言う。それも力強く心臓が動いているんだっていうのを今日、確信しました。みんなで作っているものなので本当に生き物としてようやく動きだした感じがします。ほっとしました」と笑みを浮かべた。

堺と夫婦役の上戸も「ブランクを感じさせないように頑張った。1話を見たときに、ブランクを全く感じなかった。みなさんがですよ。すごいな、すばらしいなって。続編があのまま続いているかのように、あの頃を思い出した。半沢家も変わらないでこのままいけたらなと思います」と意気込みを語った。

半沢の因縁の相手・大和田暁役を演じる香川は「半沢直樹という1人の人物のキャラクターこれだけで1本、2本、3本そして連続ドラマ全部背負っていける強さと濃さと信念、まっすぐさがあるんだなと言うことを再認識して、どれぐらい年月がたっても堺雅人さんの立ち振る舞いをまた見られたことが僕はうれしかったですし、何よりも半沢直樹が戻ってくることができてそのことにほっとしておりますし、感謝しております」と充実感をにじませた。

また豪華なキャスト陣を見渡し、香川は「みんな集まりすぎると濃すぎてですね、とっちらかるわけでございますね。濃かったですね~」と笑いを交えて魅力を語った。

市川も「半沢さんって主役がきらきら輝いていらっしゃるけど、脇に出る人間が鏡が曇っていたら、その光を跳ね返せない」とし、「脇がいかにきらきら輝くかによって主役もまた輝くし。脇としてどういう位置に僕らがいたらいいのかっていうのを考えてやった」と明かした。第1話を見て「半沢さんがすごく輝いていたので。ぼくらの役目は自分としてお役目がちゃんと出たのかな」と胸を張った。

香川と市川はいとこ関係にあたる。市川は「現場でも香川さんが保護者のように付き添っていただいて、手取り足取り教えてもらった」。すかさず香川は「前回ぼくは土下座を食らっているわけですから、うちのいとこまで土下座をくらうわけにはいかない。一族をかけた戦いなわけですよ」と絶妙な掛け合いをみせた。これに対して堺も「なんかね、重たいものと戦っている感じはしていた、確かに」と笑いながら明かした。

今シリーズからの出演となる今田は「本当に緊張感たっぷりのドラマに出させていただいて幸せでございます」と笑顔を見せた。プレッシャーがあったといい、「緊張感で押しつぶされそうになった」とも明かしたが「カメラが回っていないところでの温かさがすごくあって安心感があった」と話した。

同ドラマは、直木賞作家池井戸潤氏の小説「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」が原作。 前作は堺主演で13年7~9月放送され、平成のドラマで視聴率1位(最終回42・2%=ビデオリサーチ調べ・関東地区)を記録するなど社会現象になった。

前作は、東京中央銀行の行員、半沢直樹が銀行内で行われていた数々の不正を苦境に陥りながらも“倍返し”しながら明らかにしたが、最終回で子会社への出向を命じられるという衝撃の展開で終了した。

新作は同氏の小説「ロスジェネの逆襲」「銀翼のイカロス」の映像化で、出向先である東京セントラル証券の営業企画部長・半沢直樹に巻き起こる事件が描かれる。