俳優の三浦春馬さんが18日、死去した。30歳だった。東京・港区の自宅で首をつった状態で発見され、搬送先の病院で死亡が確認された。自宅からは遺書のようなものが見つかっており、自殺とみられる。

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最後の舞台となったミュージカル「ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド」を見たのは3月25日だった。チケットが取れない人気公演だったが、コロナ禍の影響でわずか8日しか上演できず、2日後には地方公演を含め中止となった。三浦さんは、子供たちにキリストの生まれ変わりと信じ込まれる脱獄犯という難しい役を、抑制された演技と力強い歌唱で演じた。ミュージカル俳優として強烈な印象を残した「キンキーブーツ」のはじけたドラァグクイーン役とは対照的だったが、カーテンコールで共演の子供たちを気遣う姿に、生来の優しさを見た気がした。

12月には日英共同企画の新作ミュージカルに主演が決まり、脚本、音楽、演出は英国の気鋭スタッフで、まさに世界にはばたくチャンスとなるはずだった。世界と真っ向勝負できるミュージカル俳優を、日本の演劇界は失ってしまった。【林尚之】