10日に肺炎で亡くなった俳優渡哲也(わたり・てつや)さん(本名・渡瀬道彦=わたせ・みちひこ、享年78)の代表作の1つ「西部警察」に“幻の新作”があったことが15日、分かった。複数の脚本が用意され、監督も決まっていたが、15年に急性心筋梗塞で倒れた渡さんは、翌16年に実弟の渡瀬恒彦さんに死を覚悟する言葉を伝えるなど体調に不安があり、出演を固辞しお蔵入りになったという。

◆「西部警察」の主な出演者 渡さん演じる西部署捜査課部長刑事・大門を支える大門軍団の面々にも、個性的な俳優陣がそろった。舘ひろし(70)は、ハーレーに乗る武闘派・巽総太郎刑事を演じたが、30話で殉職すると、109話からは特機隊隊長を兼任する鳩村英次刑事を最終話までと、異例の一人二役。寺尾聰は、サングラスがトレードマークの松田猛刑事。石原裕次郎さんは、大門の上司で捜査課長の木暮謙三を演じた。大動脈瘤(りゅう)治療のため89話から出演しなかったが124話で復帰した。

<「西部警察」アラカルト>

連ドラの放送期間 1979年(昭54)10月14日~84年10月22日

シリーズ制作話数 236話

出演俳優 1万2000人

ロケ地  4500カ所

撮影中に提出した始末書の枚数 45枚

飛ばしたヘリコプター 600機

使用された火薬の量 4・8トン

使用されたガソリン 1万2000リットル

壊した車両 約4680台(1話平均20台)

壊した家屋や建物 320軒

封鎖した道路 4万500カ所

平均視聴率 14・5%(関東地区)

最高視聴率 25・2%