女優月船さらら(45)と俳優市川知宏(29)が28日、都内で、ダブル主演映画「完全なる飼育 etude」の公開記念舞台あいさつに出席した。

「完全なる飼育」シリーズの9作目。従来の作品とは主従の関係性が男女逆転し、市川演じるオーディションに現れた青年・篠田蒼に、月船演じる女性演出家・小泉彩乃がサディスティックな舞台けいこを強いる。

月船は「もちろん知っている有名な映画でした。監督とプロデューサーと会って、いろいろなお話をしたら、本当に映画に真摯(しんし)で。新しいチャレンジができると、うれしくなって出ちゃったっていう感じです」と笑った。

市川は「歴史ある作品にたずさわれる喜びがありました。しかも主演ということだったので、責任を感じました」と振り返った。

設定は日本だが、撮影は台湾で行われた。月船は「リハーサルなしで台湾に行って、その場で、どう動く、どうやりとりするという感じ。それが面白かった。決めごとがあるより、初めての感情をぶつけられた。まさにバチバチでした」。市川は「(役の)彩乃さんも怖かったけど月船さんも怖かった(笑い)。結構、精神的にきつかった。役とはいえ、裸で3度回ってワンとか」。月船は「これだけの設定の作品って、器用であれば切り替えてやるけど、それさえももったいない。ずっと(役に)入っていた方が発見できるものがある。台湾にいる時は、ずっと彩乃でした」と振り返り、市川に向かって「これからは仲良くしようね」と笑った。

アイドルグループ「怪傑!トロピカル丸」の元メンバーだった金野美穂(23)はバストトップまで披露した。「オーディションの時から過激なシーンがあるのは知っていました。『完全なる飼育』の世界に入るんだと、葛藤とか不安があって本番に入るまでは実感がわきませんでした。今はホッとしています。元アイドルというのを抱えていたけど、この役でやっとスタートラインに立てました」と笑顔を見せた。

加藤卓也監督は「監督として2本目ですが、1本目がコロナで延期になっているので、これが商業映画デビュー作。無事に公開できて安心しています。歴史あるシリーズの最新作のオファーを受けて、何か新しいことをしなければ考えて、今までと男女を逆の設定にしてみました」と話した。