全米プロゴルフ協会(PGA)が10日に首都ワシントンDCの連邦議会議事堂で起きた乱入事件を受けて来年の全米プロゴルフ選手権の会場をトランプ大統領が所有するトランプナショナルGCから変更することを決めたことに、トランプ大統領が激怒しているとニューヨーク・タイムズ紙の記者がSNSで伝えている。ホワイトハウス関係者の話として、支持者を扇動して議会乱入事件を起こしたとして異例の2度目の弾劾決議案が提出されたことよりも、PGAがニュージャージー州にある自身のゴルフコースで大会を取りやめたことの方に腹を立てているという。トランプ大統領は自身のゴルフコースがメジャー大会で使用されることを誇りにしており、そのための労力は惜しまなかったと言われている。ゴルフ場を所有するトランプ・オーガニゼーションは、「契約違反」と声明を出し、「何百万ドルも投資してきた」と憤慨しているとAP通信は伝えている。男子ゴルフの全英オープン選手権を主催するR&Aも11日、トランプ大統領が所有する英北西部タンベリーにあるコースで全英オープンを当面開催しないと発表している。

トランプ大統領は11日、6日の乱入事件以降一度も会話をしていないと伝えられていたペンス副大統領とホワイトハウスで初めて会談し、大統領の残りの任期を共に協力して全うすることを確認したと米メディアは伝えている。民主党はペンス副大統領に対し、大統領の罷免手続きを定める米国憲法修正25条を発動してトランプ大統領を解任するよう求めていたが、辞職も解任も行わないものとみられている。トランプ大統領は選挙結果を覆すようペンス氏に圧力をかけてきたが、ペンス氏が反旗を翻してバイデン氏の当選を認定したことにトランプ支持者の一部が激怒して「処刑にせよ」と叫び、身の危険にさらされたと言われている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)