渡辺えり(66)八嶋智人(50)がワケあり夫婦を演じる舞台「喜劇 お染与太郎珍道中」が2月1日に東京・新橋演舞場で開幕する。先日行われた制作発表会見では、2人の公演にかける並々ならぬ思いに触れた。

新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言下での公演となるが、渡辺は「去年、演劇、映画、生のものがいかに大切かを再確認した。コロナ禍だからこそ必要なもの。感染しないやり方を考えながら、やり続けることが大事。今だからこそやりたいし、見ていただきたい」と語り、八嶋も「劇場が開けば役者はやる。対策を取ってやるだけ」とシンプルに自分の果たすべき役割を語った。

特に渡辺は、同劇場で昨年3月に予定されていた舞台「有頂天作家」が全公演中止になった経緯がある。公開通し稽古まで終え、さあ本番というところで中止が決定しただけに「あの切なさはずっと今もあります。相手役の表情、衣装の色まで焼き付いています。あの時の悔しさは体の中の細胞に入れて、今回やろうと思います」と話していた。

公開通し稽古は、新型コロナ肺炎で亡くなった岡江久美子さんが見に来てくれて、おもしろかったと声も掛けてくれたそう。渡辺の「やりたくてもやれない人たち、亡くなった人たちの分もやることを考えたい」という言葉に実感がこもっていた。

しんみりする話もあったが、2人の掛け合いは会見でもおもしろく、舞台に生かされることは間違いなさそうだ。21~27日には京都南座公演も。