自民党が内規で定める衆院比例代表の「73歳定年制」の是非をめぐり、脳科学者の茂木健一郎氏(58)や作家の乙武洋匡氏(44)らが私見を述べた。

自民党の青年部が二階俊博幹事長ら党幹部に73歳定年制のルール厳守を求めたことが報じられ、ツイッター上でも賛否を呼んでいる。乙武氏は「ベテラン議員が長く居座ると、慣習やしきたりが温存され、新しい手法やアイディアが取り入れられにくくなる」と指摘し、「いまの政治や社会に満足している人はともかく、不満を持っている人は『定年制堅持』に賛同したほうがいい」との考えを示した。

また、元NHK職員で「お笑いジャーナリスト」として活動する芸人たかまつななは、73歳定年制に「私は賛成です」とし、「若い人の意見が通りやすくなりますように。長くやると利権やしがらみもあり、柔軟になりにくい。若手に素敵な議員さんいるのでそういう人が順番待ちしないで早く権限ある役職ついてほしい」とした。

一方、茂木氏は「年齢で人を判断するのはエイジズムだし、若手議員が要望しているというのは利害関係も明白で、このニュースはどうなんだろうと思います。個人差が多すぎて、年齢だけであれこれ言うのは無理」とツイート。「老害と安易に言う人の方がよっぽど『老害』 人を年齢で決めつけるエイジズムにとらわれている人の方が、固定観念に縛られているという意味で『老害』。年齢じゃなくて個人を見ないと」とした。

73歳定年制は、小泉純一郎氏が首相時代の2003年衆院選の候補者選定の際に導入。重鎮の中曽根康弘、宮沢喜一両元首相にも適用し、両者が「議員引退」に追い込まれた経緯がある。昨年6月、自民党のベテラン議員から撤廃するよう求める声が出ていた。