篠田正浩監督、坂東玉三郎主演で79年に公開された映画「夜叉ケ池」が4Kデジタルリマスター版で上映されることが決まった。28日、松竹が発表した。

今年3月9日には篠田監督が90歳を迎えるのを記念し、同月の衛星劇場での放送を皮切りに、夏には劇場公開が始まる。さらにブルーレイ化、海外展開も行う。

篠田監督は「この新作『夜叉ケ池』を見る人は、坂東玉三郎が、山崎努、加藤剛を相手に緊迫した現代劇を演じ、その果てに魔性の姫に変化する見事な女形と、世界を圧倒した大洪水の特撮技術のお家芸が出会った日本映画の奇跡を、その目で確かめてください。90歳でデジタル技術でよみがえった『夜叉ケ池』の初日を迎える冒険を楽しみにしています」とコメント。

玉三郎は「昨年の夏に篠田正浩監督と再会して『夜叉ケ池』のデジタルリマスター化のプロジェクトが始まりました。デジタル化の作業で映像を確認して、撮影当時の1つ1つの出来事を鮮明に記憶していたことに気付きました。それだけ思いを込めて撮影に臨んでいたのだと思います。泉鏡花『夜叉ケ池』の世界をデジタル化により美しくよみがえった映像で皆さまにぜひご覧いただきたいと思います」とコメントしている。

松竹が映画製作を開始し昨年で100周年を迎えた記念プロジェクトの締めくくりとなる。