星野源(40)と新垣結衣(32)が結婚を発表した。16年のTBS系ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」で共演したことがきっかけでゴールインした。ドラマの共演がきっかけで結婚した芸能人カップルは数多い。古くは明石家さんまと大竹しのぶがTBS系「男女7人秋物語」(87年)で。唐沢寿明と山口智子がNHK朝の連続テレビ小説「純ちゃんの応援歌」(88年)で。反町隆史と松嶋菜々子がフジ系「GTO」(98年)で、共演してゴールインした。最近では松坂桃李と戸田恵梨香がドラマや映画で共演し、結婚した。まさに“職場結婚”である。

過去にさかのぼると、国民的な俳優や歌手も共演をきっかけに結婚している。その代表が石原裕次郎さんとまき子夫人だ。まき子夫人は人気女優・北原三枝として、56年に「狂った果実」で、まだ新人だった裕次郎さんと初共演。その後も「俺は待ってるぜ」「嵐を呼ぶ男」「錆びたナイフ」「陽のあたる坂道」など23作品で共演した。当時、トップスターの交際はご法度だったが、2人はアメリカに逃避行して、映画会社に結婚を認めさせたという話は有名だ。

勝新太郎さんと中村玉緒も映画共演がきっかけで結婚した。玉緒は歌舞伎俳優の二代目中村鴈治郎を父に持つ家系で育ったお嬢さまだった。55年に映画「かんかん虫は唄う」で初共演した。当時、玉緒が16歳、勝さんが24歳。その後も共演し、勝さんの方からアプローチ。勝さんのマネジャーが玉緒に「勝のことを好きですか?嫌いですか?」といきなり聞いて、玉緒は「好きか嫌いかでいうと、好きです」と答え、そこから急展開し結婚した。玉緒は後に「私は恋愛をしたことがなかったから、あっという間の出来事でした」と振り返っている。

三浦友和と百恵夫人も歴史に残る共演ゴールインである。歌手・山口百恵と三浦友和の出会いは74年のCMが最初で、同年の映画「伊豆の踊子」で初共演した。この時、百恵さん15歳、友和22歳。以後、「潮騒」「絶唱」「風立ちぬ」「春琴抄」「古都」など百恵さん主演の13作品中、12作品で友和と共演。ひそかに愛を育んだ。そして79年10月の大阪でのリサイタルで、百恵さんが「私が好きな人は、三浦友和さんです」とファンに公言した。翌年、百恵さんは21歳で結婚し、芸能界を引退した。

「世紀の結婚」になぞらえて「聖輝の結婚」と言われたのが神田正輝と松田聖子の結婚だった。2人も85年公開の映画「カリブ・愛のシンフォニー」で初共演し、一気にゴールインした。同年6月24日の挙式・披露宴では、石原裕次郎夫妻が仲人を務めた。テレビで生中継され、34・9%の高視聴率を記録した。

芸能人カップルの結婚のニュースはどんな時代でも、みんなの気持ちをほっこりとさせてくれる。コロナ禍でもそれは変わらない。お幸せに。【笹森文彦】