俳優田村正和さん(享年77)の追悼特別番組としてテレビ朝日系ドラマ「松本清張 疑惑」(午後9時)が23日、放送された。

同作は09年1月24日に放送され、田村さんが弁護士・佐原貞吉役で主演を務めた。ほかに沢口靖子(55)や室井滋(62)が出演した。

番組冒頭では、フジテレビ系連続ドラマ「ニューヨーク恋物語」で田村さんの恋人役を演じた岸本加世子(60)がナレーションを務め、田村さんの俳優人生を振り返った。フジテレビ系ドラマ「古畑任三郎」「ニューヨーク恋物語」の場面写真が使用され、TBS系ドラマ「パパはニュースキャスター」など他局作品についても紹介する形で田村さんの功績をたたえた。

岸本は「4月3日、日本を代表する1人の名優が天国に旅立ちました。田村正和さん。享年77。ここからは、在りし日をしのび、田村正和さんの俳優人生を振り返ります」と読み上げ、「私も『ニューヨーク恋物語』でご一緒させていただきましたが、本当にすてきでした」と語った。

9年前にも田村さんと共演したといい「その時、長いハグをしていただいたことは一生忘れません」と思い起こした。

生前、田村さんが、父親で俳優の阪東妻三郎さんもかつて演じた、大石内蔵助役を務める際のインタビュー映像で「僕のおやじも、せめて大学出てこの世界に入って、ある程度頑張っているところまで生きていてくれたらおやじも喜んでくれたと思う」と話す姿も映った。

岸本は「田村さんがテレビドラマ界に残してくれたのは、作品だけでなく、1つの大きな歴史でした」といい「この後は、数ある名作の中から、田村さんが初の弁護士役に挑んだ『松本清張 疑惑』をお送りします」とドラマにつなげた。

ドラマ本編終了後に「数々の名作とともに私たちの心にはいつまでも正和さんの存在が、深く刻まれ続けるでしょう。田村正和さん、心からご冥福お祈りいたします」とナレーションで締められた。

田村さんは4月3日、心不全のため都内の病院で亡くなった。