NEWS加藤シゲアキ(33)が昨年発表した小説「オルタネート」(新潮社)が、高校生が選考を行う「高校生直木賞」を受賞したことが30日、発表された。伊吹有喜氏の「雲を紡ぐ」も同時に受賞し、同賞8回目にして史上初の2作受賞となった。ジャニーズ事務所所属タレントの作品が同賞に輝くのは初めて。喜びをつづったコメント全文(原文まま)は以下の通り。

 

この度は高校生直木賞を授与していただき、誠にありがとうございます。

受賞の知らせを聞いた時、不意に「荒野の果てに」が頭の中に響きました。

オルタネートは、若い世代に読書の楽しみを知ってもらいたいと思って書いた作品です。

作家になってから時折、「加藤くんの本を読んでみたいけれど、小説は難しくて読めない」と言われることがあり、それを聞く度に彼らは幼い頃に楽しい小説に出会えなかったんだろうなと感じていました。

ならば自分が、若い世代が純粋に楽しめる作品を書き、小説を好きになってもらおうと考え、このような高校生の群像劇を執筆するに至りました。

自分の願いが叶い、実際に高校生の方々に届いたのであれば、これ以上に幸せなことはありません。

世界には素晴らしい本がたくさんあります。読者の方々には、この本をきっかけに、人生最高の一冊と出会う旅に出発してほしいと思います。

 

◆高校生直木賞 全国の高校生たちが直木賞候補作の中から「今年の1作」を選ぶ賞。14年に第1回が開催された。過去の受賞作は伊東潤氏の「巨鯨の海」や彩瀬まる氏の「くちなし」など。今年は渋谷幕張高や麻布高など、北は北海道、南は鹿児島まで全国から31校が参加し、30日にオンラインで選考会が行われた。