22年NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(脚本三谷幸喜)の制作統括、清水拓哉チーフ・プロデューサーが20日、オンラインで取材会を行い、主演小栗旬(38)について「帝王になる人物のスケールに見合う俳優さん」と信頼を語った。

鎌倉時代を舞台に、源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした二代執権北条義時のパワーゲームを描く。すでに北条氏ゆかりの静岡でロケも始まっている。小栗の座長ぶりを「懐の深さと器の大きさがあり、現場を引っ張るというより、どっしりと構えている感じ。小栗さんの器の中でみんなのびのびと仕事をしていて、さすがだなと思う」。

北条義時という人物像について「頼朝という源氏のプリンスがたまたま自分のお姉さんと結婚して、偶然歴史の表舞台に引っ張り出される人。北条家の一族が権力のトップに立つ土台を作り、帝王になる人物」とし、演じる小栗を「人物の心情をしっかり表現してくださる。世界的なスケールのある俳優さん」。現在は、「まだ田舎の何者でもない若者のみずみずしさがあり、(運命に)翻弄(ほんろう)されながら演じていると思う」と話した。

三谷作品の魅力について「最初から野心があって成し遂げる人ではなく、与えられた使命に向かって頑張る人。そういうはずではなかった人が、とんでもない面白い人生を送っていく」。タイトルの「13人」は、頼朝を支えた功労者たちであり、頼朝の死後に内部抗争を繰り広げた人たちでもある。「三谷さんは群像劇の名手。歴史は1人の英雄で動いているのではなく、たくさんの人の努力と葛藤で作り出される面白さがある」と語った。

「その中で、最後に生き残るのが義時」とし「権力者の苦悩が濃密に描かれていくと思う」と自信をみせた。