06年9月15日に上方落語悲願の定席として開館した大阪市北区の天満天神繁昌亭で、30日、今後35日間に及ぶ15周年記念特別公演がスタートした。

オープン当初、10周年など節目にはこれまで、開館に向けて協力をあおいだ付近の天神橋筋商店街を練り歩くなどしてきたが、今回はコロナ禍にあって自粛。代わって、宝塚歌劇ファンの桂あやめ(57)ら「はなし家タカラヅカ」の面々が、歌劇の和物オープニングをイメージして、和装で舞った。

幕開けの後は、上方落語協会会長の笑福亭仁智(69)、同副会長の桂米団治(62)と、今特別公演の番組編成を中心的に担った月亭遊方(56)らがあいさつ。開館時の6代桂文枝から会長のバトンを継いだ仁智は、あやめらの歌劇風オープニングを「バケモノ小屋へようこそ」といじって爆笑を奪った。

この15年を振り返り、仁智は「あっという間の15年でした」。悲願の定席が復活した06年には存命だった桂米朝さん、3代目桂春団治さんが亡くなり、上方落語を復興させた四天王は全員が鬼籍に入った。

最近では、仁智にとって師匠でもある笑福亭仁鶴さんも死去。大御所があいつで旅立っており、仁智は「次の15年へ向けて、協会員一致団結して、少しでも楽しんでいただける番組をお届けし、次の15年につなげたい」と誓った。

隣で大きくうなずいた米団治も「陰ながら支えさせていただきます」と約束していた。