アニメ制作会社「ufotable(ユーフォーテーブル)」が10日、公式サイトで、法人税法違反などの疑いで起訴されていた、同社と近藤光社長が有罪判決を受けたことを報告し、謝罪した。

「今般、弊社及び弊社代表が、法人税法等違反事件につき有罪判決を受けました。弊社作品を応援いただいておりますファンの皆さまをはじめ、関係者にご心配、ご迷惑をおかけしたことについて誠に申し訳なく、心よりお詫び申し上げます。本件を契機として、持続可能なより良い作品づくりに向けた制作環境の整備に向け、法令を遵守し、経営の適正化に一層努めて参ります。」(原文のまま)

漫画家・吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)氏原作の人気漫画「鬼滅の刃」を、同社がアニメ化した「鬼滅の刃」の最新シリーズ「-遊郭編」(日曜午後11時15分)が放送されている中での、有罪判決となった。

法人税法違反の件は、20年6月3日に公式サイトで同社と近藤社長が東京国税局から告発を受けたと報告していた。その際「国税当局の指導に従って、平成27年8月期(2014年9月~2015年8月)、同29年8月期(2016年9月~2017年8月)及び同30年8月期(2017年9月~2018年8月)の3期について修正申告を行い、全額納税いたしました」と、修正申告は行ったと報告していた。その後、今年7月9日に同社と近藤社長が法人税法違反などの疑いで起訴されたことを、公式サイトで発表していた。

「今般、弊社及び弊社代表が、法人税法等違反の疑いで起訴されました。弊社作品を応援いただいておりますファンの皆さまをはじめ、関係者にご心配、ご迷惑をおかけすることについて誠に申し訳なく、心よりお詫び申し上げます」

今回の起訴を受けて、同社は「国税当局の指導に従って修正申告を行い、全額納付いたしました。本件を契機として、持続可能なより良い作品づくりに向けた制作環境の整備に向け、法令を遵守し、経営の適正化に努めて参ります」と法令順守を約束した。

「鬼滅の刃」は漫画家・吾峠呼世晴氏原作の人気漫画で、16年2月15日発売の「週刊少年ジャンプ」で連載がスタートし、20年5月18日発売の同誌まで4年3カ月の間、休載なしで205話、掲載された。大正時代を舞台に、主人公竈門炭治郎(かまど・たんじろう、アニメの声=花江夏樹)が家族を殺した鬼と戦うために修業して「鬼殺隊」に入隊し、鬼と化した妹禰豆子(ねずこ、同=鬼頭明里)を人間に戻す方法を探して戦っていく物語。19年4月から9月までアニメ「竈門炭治郎 立志編」が放送され、人気が爆発的に高まった。

20年10月16日には原作漫画の7、8巻をアニメ映画化した「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」が公開され、興行収入403億円を突破。その「無限列車編」をテレビアニメ化して、10月10日からフジテレビ系で全7話(日曜午後11時15分)放送。第1話は煉獄(れんごく)杏寿郎(声=日野聡)が鬼殺隊本部を旅立ち無限列車へと向かう道中の任務を描いた完全新作エピソードで、第2~7話は、無限列車での任務を、約70カットの新作追加映像と新規追加BGM、完全新作予告編、新主題歌映像とともに描いた。現在、放送中の「遊郭編」は、劇場版を含めた「竈門炭治郎 立志編」に続くシリーズとなる。

ufotableは2000年(平12)に設立し、東京・杉並区に本社を置く。アニメーション企画、制作、シリーズ構成、シナリオ制作やテレビ番組、PVなどの実写映像企画・制作、CG制作クレイ・アニメーションの制作を行っている。また携帯電話コンテンツ、ウェブサイトの企画・制作・運営やキャラクターの企画・開発・デザイン、著作権の管理、アーティストのマネジメントなども行っている。