NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」が8日、最終回を迎えた。上白石萌音、深津絵里とともに、朝ドラ史上初の3世代ヒロインの1人「ひなた」を演じた川栄李奈(27)も、その魅力を存分に発揮した。最後の最後に、幼少時に英語を話すことができなかった「ひなた」が、初恋の相手に英語で実家の「回転焼きを食べに行こう」と誘い出した姿を見て、川栄自身の真っすぐな性格、実直に仕事と向き合う姿勢と重なった。

挫折を繰り返し、自分の居場所をなかなか見つけられない…。でも一生懸命で明るい「ひなた」は、まさに川栄の自然体な演技だからこそ光ったと思う。

この自然体こそ、川栄李奈という役者の真骨頂だ。川栄本人には失礼な話だが、「絶世の美女」ではないし、「抜群のスタイルを誇る」わけではない。ただ今回の「ひなた」しかり、どこか日常で「こういう人いるよね?」という演技は、同世代の中でも抜群だ。

これまでさまざまな作品に出演して、さまざまな役を演じてきた。本人は人見知りな部分はあるが、出演が相次ぐのも、誰からも愛される存在だから。謙虚に、まっすぐに仕事に取り組む。そんな評判を、関係者からもよく聞く。

そして、律義な人でもある。昨年11月、久しぶりにAKB48のコンサートのステージに立った。仲が良い横山由依(29)の卒業コンサートにスケジュールの合間をぬって駆けつけた。

今月1日のSKE48大場美奈(30)の卒業コンサートには駆けつけることはできなかったが、ビデオメッセージを送って、先輩の門出を祝った。

少し前の3月にも、秋葉原のAKB48劇場で行われた入山杏奈(26)の卒業公演にサプライズ出演。250人収容の小さな劇場のステージに立つと、さすがに「朝ドラのひなただ!」とオーラも漂ったが、少し時間がたつと、入山の言葉に目を潤ませるなど、すっかりメンバーの中にとけ込む姿が印象的だった。

朝ドラヒロインを経験し、役者としてさらに幅を広げるだろうが、川栄の自然体で、親近感のあるキャラクターは、これからも変わらないだろう。【大友陽平】

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