中村勘九郎(40)が主演するスペクタクルリーディング「バイオーム」(6月8~12日、東京建物Brillia HALL)の制作発表会見が26日、都内で行われた。

政治家一族と、人間たちを見てきた庭や植物の物語を、朗読劇で表現する。勘九郎は、8歳になる一族の子息と家政婦の孫娘の2役を演じる。「40(歳)になる私がやるとどうなるか不安ですが、遠い昔に置き忘れた純粋な心を、本番までに取り戻してやりたい」と話した。

物語について、勘九郎は「ヒリヒリするような脚本。分かりやすい、簡単な、見やすいものがよしとされているつまらない世の中で、パンチを与える作品。植物、大地、お説教くさくなく、何か持ち帰ってもらえる」とした。

今年3月で宝塚歌劇団を退団した上田久美子氏が脚本を手掛けた。上田氏は「お題は自由ということで、即興で書きたいと思って書いていった。今までのカテゴリー、人間ドラマやメロドラマというものにはまらないものになりました」と話した。

演出はNHK大河ドラマ「麒麟がくる」などの演出で知られる一色隆司氏。上田氏にとっては、自分の作品を別の演出家が演出する経験も初めてで「すごくワクワクしています。自分が思っていた以上に、自分が考えていた世界が広がっていく」と期待を寄せた。

スペクタクルリーディングと名付けた意図について、一色氏は「自分が本の中に入ってしまうような世界観を持つ作品。今までの朗読劇、演劇では感じられなかったような思いを感じていただけるような作品にしたい」と話した。

ほか、花總まり、古川雄大、野添義弘、安藤聖、成河、麻実れいが出席した。キャスト全員が2役を演じる。