ドナルド・トランプ前米大統領が、集会で観衆から果物を投げられて殺されることを恐れていたことが、米CNNなどで伝えられた。

CNNによると、2015年のキャンペーン集会でトランプ氏の警備員に暴行を受けたと主張する抗議者グループによる訴訟で、最近公開された供述録取の中に原告側弁護士の質問に対してトランプ氏が果物を恐れていたと話しているという。

報道によると、「もしトマトを投げようとしてる人を見たらノックアウトしろ」と命令したのかと尋ねられたトランプ氏は、「イエス。とても危険だ。私たちは脅かされていた。彼らは果物を投げようとしていた」と返答。

それは観衆に向けてジョークの一種として述べたものだと明かしたものの、「少しは真実だ」と語り、果物を投げられて強く当たったら死ぬことだってあると述べたという。

どのように果物で脅かされていることを知ったのか問われると、「そういわれた。シークレットサービスが関わっていると思った。果物を投げるのはとても暴力的なこと。私たちはそのことに警戒していた」とトランプ氏。同氏の弁護士もトマトは種があるから果物だと思うと発言し、トランプ氏は「果物の中にはもっと悪いものがあるが、トマトもとても危険だ。私たちは警告を受けていたので、観衆にもその心づもりをして欲しかった」と述べたという。

CNNによると、過去には、ニクソン元大統領が1970年に反戦抗議で卵とトマトや野菜を投げられたことがあるほか、当時国務長官だったヒラリー・クリントン氏は2012年のエジプト訪問時に車列に向かってトマトが投げ込まれたことがある。また、元アラスカ州知事で08年の米大統領選で副大統領候補だったサラ・ペイリン氏も09年にトマト2個を投げられているが、いずれも命の危険はなく、負傷もしていないと伝えている。

ちなみに果物ではないが、ジョージ・W・ブッシュ元大統領は08年にイラク人ジャーナリストから両方の靴を投げつけたことがある。(ロサンゼルス=千歳香奈子)