坂東玉三郎(72)が23日、都内で、「六月大歌舞伎」(同2~27日、東京・歌舞伎座)の第3部「ふるあめりかに袖はぬらさじ」の取材会に出席した。

作家有吉佐和子氏が、女優杉村春子さんのために書き下ろした戯曲で、玉三郎は88年に初めて主人公お園を演じて以来、上演を重ねている。作品の魅力について玉三郎は「笑いながら人生をしみじみを感じさせる。笑い転げながらも、後でしんと考えるような戯曲です。表面的には筋が通っていないようでも、裏側で魂が貫かれ通している」と話した。

歌舞伎から劇団新派に移籍した喜多村緑郎(53)河合雪之丞(51)も出演、それぞれ歌舞伎座出演は8年ぶり、6年ぶりとなる。緑郎は「魂の震えが全身に回ってきています。緊張する1カ月になると思う」、雪之丞は「大好きな『ふるあめりか-』で歌舞伎座に呼んでいただける、震えが止まらない思いです」と話した。玉三郎は「気楽にやってもらいたいです」と笑った。

2人のほかに田口守、伊藤みどりら新派から出演する。歌舞伎と新派について、玉三郎は「僕たちあまり垣根はないんです。これがいいきっかけになって、いつでも一緒にできればいい」と展望を語った。