尾上菊之助(44)主演で、新作歌舞伎「ファイナルファンタジーX」(東京・IHIステージアラウンド)が来春に上演されることが18日、分かった。

人気ゲームソフト「ファイナルファンタジー」のシリーズ35年記念で、ゲームが歌舞伎になるのは史上初めて。

菊之助はこれまで「NINAGAWA十二夜」や「マハーバーラタ戦記」「風の谷のナウシカ」など、自身の企画、構想などから新しい歌舞伎に取り組んできた。今回はさらに高みを目指すために、ファイナルファンタジーの歌舞伎化を熱望。菊之助は企画、演出も手掛け、名作ゲームの世界観を、アジア初の没入型エンターテインメント劇場で、世界初上演する。

IHIステージアラウンド東京は、周囲を取り囲む360度全てに展開されるステージの中心に、巨大な円形の観客席を配置。巨大なお盆に乗った観客席自体が回転しながら、舞台、映像、音楽などと画期的な方法で融合できるのが魅力だ。

同作は「ファイナルファンタジーX」の映像世界に没入。世界観はそのままに、同劇場ならではの臨場感と迫力で、ゲームの世界・ザナルカンドへの旅を舞台に昇華させる。

キャストは菊之助をはじめ中村獅童、尾上松也、坂東彌十郎と魅力あふれる顔ぶれ。脚本はNHKの朝ドラ「おちょやん」を手掛けた八津弘幸氏。演出は、B'zのドームツアーなど成功させた金谷かほり氏が菊之助とともに手掛ける。

◆尾上菊之助コメント

名作ゲーム「ファイナルファンタジーX」と日本が誇る伝統芸能の歌舞伎が融合し、相互の文化をつなぐ新しい懸け橋にしていきたいと思い、新作歌舞伎「ファイナルファンタジーX」を企画いたしました。IHIステージアラウンド東京での歌舞伎公演は初めての挑戦になりますが、発売当時にゲームをした時の衝撃的で感動した気持ちを大切に、ゲームを大好きな人にも、歌舞伎を見たことがない方にもぜひ見てもらいたいと思っております。高さ8メートルの巨大スクリーンに映し出される映像が舞台を彩り、あたかも「ファイナルファンタジー」の世界にいるかのような没入感をご堪能いただけると思います! このような時代だからこそ、見ていただきたい心に響くストーリーです。ぜひ劇場にお越しください。

◆「ファイナルファンタジーX」プロデューサーの北瀬佳範氏コメント

最初にこの話を頂いた時は”まさか”という半信半疑の気持ちでいっぱいでしたが、菊之助さんから直接、熱のこもった思いを伝えていただき大変感動したのを覚えています。大衆娯楽としては最後発のビデオゲームと日本の伝統芸能である歌舞伎とのコラボがどのような感動を生みだすのか。今からワクワクが止まりません。