田中裕子(67)主演映画「千夜、一夜」(久保田直監督、10月7日公開)の完成披露舞台あいさつが5日、都内で行われ、尾野真千子(40)ダンカン(63)安藤政信(47)が登壇した。田中は体調不良のため欠席した。

今作は、北の離島の美しい港町を舞台に、理由もわからぬまま突然姿を消した最愛の夫を、30年にわたり待ち続ける田中演じる主人公の姿を描いた。

主人公と同じく、2年前に夫が失踪した女性を演じた尾野は「田中さんとは対照的な選択をするんですが、次の1歩を踏み出しました。ちょっとずるいのかなとも思い、これでよかったのかなと、もやもやしながら演じました」。

待ち続ける主人公に思いを寄せる漁師を演じたダンカンは「田中さんが登壇するから来た人は怒っていませんかね。だから、幸せのツボを持ってきました。献金は入りません」と笑いを誘うと、失踪する夫を演じた安藤も「男としては胸を張れない役。ツボでも買ってください」と同じくツボネタで笑わせた。

もっともダンカンは「待ち続ける田中さんに思いを寄せる役なんですが、私生活でも8年前に妻を乳がんで亡くしまして。今でも、突然帰ってきて、夕飯を作ってくれるんじゃないかと待っているんです。だから、相手の気持ちもわかります」としんみりさせると、再びツボネタを出して笑わせた。

久保田監督は「6年もかかってクランクインした後コロナ禍で。僕は撮影を続けたかったんだけど、田中さんと相談して、ロケ先で感染させたら申し訳ないと話し合い、撮影を中断しました。そのとき、田中さんが『みんな健康でいてね。健康でさえいればまた集まれるから』とみんなの手を握ってくれて。人前で号泣しました。その間に、脚本も手直しして。待って待って、出来上がった作品です」と話した。

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