NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で主人公北条義時を演じる小栗旬(39)が、このほどオンライン取材会を行い、1年半にわたる撮影を振り返った。

先月25日に撮影を終えた。数々のドラマや映画で主演を経験するが、どのクランクアップとも違う心境を味わい「まだまだ続けていたい気持ちもあったし、同時にやっと終わったという気持ちもあった」。最終回の撮影では義時として完全燃焼し「納得のいくラストでしたし、いざ演じてみたら、あの日で全部終われた。『今からもう1回義時をやれ』と言われても、何も覚えてない気分です」とスッキリした表情で語った。

物語が終盤に向かうにつれ、穏やかだった義時が“ダーク”に変わっていくさまは「背筋が凍る」と話題を集める。日本史でメジャーな存在とはいえない義時にスポットを当て、「今回の大河で、孤独な男だったと新たに受け取ってもらえたと思う」と手応えを語る。

三谷幸喜氏の脚本についても「せりふに感情がそぐわないことが全然なくて、俳優としてはありがたかった。偉そうに言えないけど、毎回神がかってるなと思うくらい、素晴らしかった」。三谷氏からはクランクアップ前日に「完璧な義時でしたから、安心して明日を迎えてください」と、ねぎらいのメールがあったという。「大河ドラマという場所で、三谷さんの脚本でできたことが自分にとってはありがたいこと」と感謝した。

1年以上かけて1人の人物を掘り下げる作品作りに魅力を感じ、小栗は「またいつか大河の主演はやりたい」と意欲を見せる。今作同様、視聴者が先入観を持たない役に興味があるといい「今回ここまで楽しめたのは、だってそんなに義時のこと知らないでしょ? って言えたからこそだと思う」と笑みを浮かべた。【遠藤尚子】