NHKは26日までに、ラジオ第1「高橋源一郎の飛ぶ教室」(金曜午後9時5分)の11月18日の放送中、著作権法で一般的に認められる範囲を超えて本文を読み上げる事例があり、不適切だったとして、番組公式サイトに謝罪文を掲載した。

公式サイトでは「番組における作品の不適切な使用についてのお詫び」と題した文面を掲載。「11月18日の放送で、山本文緒著『無人島のふたり-120日以上生きなくちゃ日記-』をご紹介した際、著作権法で一般的に認められる範囲を超えて本文を読み上げてしまうなど、ご紹介の仕方に不適切な点がありました。放送前の確認が不十分でした」と謝罪し、「著作権への配慮に欠けた行為で、著者の山本様や著作権者の方をはじめ関係者のみなさまに深くお詫び申し上げます」とした。

事後の対応についても釈明。「また、この件に関しては、放送の翌日には著作権者の方からご指摘をいただいていたにもかかわらず、著作権者の方への返信や配信停止措置をとるまでに数日間を要してしまったこと、作品のご紹介の態様においても、作品の核心とも言える最後の部分まで読み上げてしまったことなども、不適切であったと指摘を受けております。このような著作権のみならず、作品への配慮をも欠いた行為があったことを反省し、今後同様のことが繰り返されないよう、著作権や取り扱う作品への配慮を、改めて徹底して参ります」と記した。

「無人島のふたり-」は、作家の山本文緒さんが21年に亡くなる直前まで記していた闘病記。山本さんの亡くなった後も更新されているインスタグラムでは、NHKが23日の同番組で「お詫び」が放送したことに触れながら「正味は10分弱でしょうか、そのコーナーは殆どが本の朗読で、最初から最後の日記まで主要な部分を高橋源一郎氏が読み上げることに終始していました」「どう考えても評論などにおける引用の範囲を逸脱した著作権侵害です」などと番組内容について指摘する文面が掲載されている。

同番組は作家の高橋源一郎氏と礒野佑子アナウンサーが司会。現代の世相や時局の分析、高橋氏がおすすめする書籍の紹介や、ゲストとの対談で構成されている。