俳優仲代達矢(90)主演の舞台「バリモア」が16日、東京・北千住のシアター1010で初日を迎えた。実在した米俳優ジョン・バリモアが晩年、人生を振り返り吐露する一人芝居で、仲代は81歳の時、初めての一人芝居として挑戦し初演。今回が再々演となった。

初日に際し、仲代は「自分でも思ってみなかった90歳ですが、人間、こんな年になっても案外やれるものなんだなァってのが実感です。もちろんこの初日を迎えるまでの苦しみは、かつてと何一つ変わるものではありませんが、いや、日増しに背負いきれないものになるのを感じ始めていますが、とにかくひとつの峠を越え、仄(ほの)かな火照りが体の中に漲(みなぎ)ってくるのを感じます」とコメントした。

1人の役者の人生を描いた同作について、これまでの取材で仲代は「私も70年役者をやってて、その折々に抱いた考えはたくさんある。そういう思いをバリモアの人生を借りて、ちょっと吐き出してみたい」などと話している。

同劇場は23日まで。ほか全国巡演。