ポルノ女優ストーミー・ダニエルズさんへの口止め料支払い疑惑を巡って逮捕目前とされるドナルド・トランプ前大統領の「逮捕現場」を描いた本物そっくりなフェイク画像がネットに拡散している。

トランプ氏が自身のSNSで21日に逮捕されると予告して以降、捜査状況や起訴の可能性についてさまざまな臆測が飛び交い、大統領経験者が起訴されるという前代未聞のXデーがいつになるのか注目されている。

そんな中、ネットには人工知能(AI)でつくられた偽の逮捕瞬間の画像が次々とアップされており、いくつかは「本物にしか見えない」と話題になっている。大勢の警察官に取り囲まれて拘束されるトランプ氏や両側に立つ警察官に腕をつかまれて歩くトランプ氏、逮捕後に撮影されるマグショット、抵抗して地面に押さえつけられるトランプ氏に逃走するトランプ氏などなど、実際の逮捕現場をほうふつさせるものが多い。トレードマークのブルーのスーツに赤いネクタイを身に着けているのも特徴だ。

調査ジャーナリズム集団「ベリングキャット」の創設者エリオット・ビギンズ氏のツイッターには、他にも刑務所に収監されたトランプ氏や裁判の様子、警察官に対して叫ぶメラニア夫人まで多くのフェイク画像があふれている。米フォーブス誌によると、フォロワー数800人のツイッターのアカウントに投稿された画像が600万回以上閲覧されているケースもあり、一見すると本物と見分けることが難しいものも多いという。しかし、専門家によるとAIによる画像は拡大すると指の数が多かったり、歯も不自然であることが多いといい、顔はそっくりでも細部を注視すると偽物であることが分かると指摘する。

大陪審が今週にも起訴する可能性が取りざたされていたものの22日に予定されていた大陪審の審理が延期され、判断は来週以降に持ち越されたと伝えられている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)